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ソーシャルワーク

社会福祉士・精神保健福祉士に必要なコミュニケーション能力|誠実さと方便を両立させる

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ソーシャルワーカーに必要なコミュニケーション能力ってなんだろ?

社会福祉士や精神保健福祉士の仕事は、相手に誠実であることが前提だと私は考えています。
自分の利益のために騙す、利用する――そんな関わりは論外です。
支援者が誠実であることは、この仕事の土台です。

ただ、ここでひとつ厄介な真実があります。

誠実でありたい。
でも、“全部を真正面からそのまま伝える”だけでは、現場でつまずく。

私は、これを仕事の中で痛いほど経験してきました。

だからこそ、この記事ではあえて言い切ります。

 結論

  • 社会福祉士・精神保健福祉士にとって「方便」はコミュニケーション能力の1つ。

方便というと「ごまかし」「嘘」というイメージを持つ人がいるかもしれませんが、私が言いたいのはそうではありません。

ここで言う方便とは、“相手の利益のために、伝え方を調整するコミュニケーション能力”です。

筆者:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働くソーシャルワーカー。児童相談所などで十数年の実務経験あり。
このブログでは、福祉を学ぶ人・働く人が明日から使える視点を持ち帰れるよう、現場の知見や考察をもとに発信しています。
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誠実さだけでは関係が壊れる理由

私は、真正直すぎる伝え方をして、関係性が悪化した経験をたびたびしてきました。

  • 本心そのままをぶつける
  • 相手の受け皿を考えない
  • 「100の事実」を100の強度のまま伝える
  • 上司から聞いた言葉をそのまま伝える

こうした関わり方では、摩擦や対立が一気に増えます。

ソーシャルワーカーは毎日のように交渉・調整・連絡の渦中にいる職業です。
だからこそ、言い方・順番・強度を調整するコミュニケーション能力が必要になる。

誠実さは前提だとしても、“そのままの言葉で渡す”だけでは現場は動かないし、摩擦によって支援者の心ももちません。

震度10をそのまま伝えない

私は長いあいだ、ひとつの疑問を抱えていました。

「誠実さと方便は矛盾しているのでは?」

正直でないことは、悪ではないか
――そう思っていました。
とても、むず痒く感じるのです。

しかし、現場で働き続けるうちに、この考えだけではやっていけないことに気づきました。

あるとき、道路や橋の構造を見てハッとした瞬間があります。

橋の両端には、硬い部分と硬い部分をつなぐ“クッション材”があります。
このクッションがあることで、橋は壊れずに機能し続ける。

電車のレールにも同じ仕組みがあります。
つなぎ目にわずかな遊びがあるから、揺れや衝撃を吸収できる。

そのとき私は、ふと思いました。

「あぁ、ソーシャルワーカーって、この“つなぎ目”なんだ」

支援者が震度10の事実や感情を、そのまま利用者へ、家族へ、関係者へ伝えてしまえば、どこかが崩れます。
人も、関係性も、支援そのものも壊れかねない。

だから私たちは、震度10を3・4・5へと変換して届ける役割を担っています。
そのために必要なのが、私の言う“方便”です。

嘘をつくわけではありません。

相手が受け取れる形に取捨選択し、変換して届ける技術。

これができないと、ソーシャルワーカーは続けられない――私はそう思っています。

私たちが担う「調整」という仕事は、この点に凝縮されているのではないでしょうか。

「方便=調整、翻訳、クッション」

「方便」という言葉には、“うそも方便”のように、嘘を肯定するニュアンスがあり、抵抗感があるかもしれません。
そこで言い換えるなら、次のようにも言えます。

  • 調整
  • 翻訳
  • クッション

どれも核心は同じです。

大事なのは、
「相手の利益のために、何をどこまで、どの強度で伝えるか」
を考えること。

判断軸は、やはりクライエントの利益です。

震度10をそのまま伝えて問題が起きないのであれば、そもそも私たちが間に立つ必要はありません。
現場で私たちが“ケース”として関わることもなかったでしょう。

しかし現実には、何らかの支障があるから依頼が入り、相談が生じ、調整が必要になる。
だから、私たちは“間”に立つ。

取捨選択し、変換し、クッションとして衝撃を吸収し、
ときに心情を代弁しながら届ける。

その営みこそが調整であり、私たちが存在する理由だと思っています。

まとめ

  • 誠実さは前提
  • 方便はコミュニケーション能力のひとつ
  • ソーシャルワーカーは“つなぎ目のクッション材”のような役割
  • 震度10をそのまま伝えないことが、“調整”の中身である

誠実さと方便は、一見すると矛盾しているように感じられます。
しかし、方便は現場の実務において間違いなく必要な技術です。

そしてこれは、社会福祉士・精神保健福祉士に不可欠なコミュニケーション能力のひとつだと私は考えています。

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この記事を書いた人
ぱーぱす

自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士|現場経験15年、地域・医療・行政の3つの立場を経験。ブログ歴6年、記事約370本。福祉職のキャリアや生活に役立つ実践的な情報を発信しています。

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