
入所施設の児童指導員の休みっていつ?プライベートはどうなってるの?
入所施設は24時間365日、子どもが生活する現場。
子どもだけには、できません。
大人も一緒に過ごさないといけない。
だから、入所施設で働く児童指導員はシフト制が基本。
休日もバラバラ。
これが入所施設で働く児童指導員のリアルです。
この記事では、私自身の経験をもとに、入所施設の児童指導員の休日やプライベートのリアルをお伝えします。
あわせて、放課後等デイサービスでの働き方との違いも比較しながら、「自分に合った働き方」を考える材料をお示ししていきます。
シフト制の現実
現場を回そうとすると、どうしてもシフト制になります。
工場のように二交代・三交代という職場もあるかもしれませんが、私の知る限り、児童養護施設や障害児入所施設はもっと変則的です。
たとえば、朝7時から勤務をした翌日は午前11時から勤務というように、日によって時間が変わります。
その理由はシンプルで、勤務者の数が少ないからです。
二交代や三交代ができるほどの人員がいない。
また、入所している子どもの数もそこまで大規模ではないため、どうしても休日はバラバラになります。平日にあったり、土日祝にあったり。
連休のときもあれば、飛び石になることもあります。
これが児童指導員のつらいところです。

休日が合わない現実と、平日休みのメリット
学生時代に仲が良かった友人がいても、休みが合わなくなって疎遠になることがあります。
これは多くの児童指導員が経験しているのではないでしょうか。
一方で、平日休みにはメリットもあります。
役所や銀行、病院などは空いており、手続きがスムーズです。
観光地も混雑していないため、ゆったり過ごせます。
そして、これは“上級者編”ですが――
土日祝に休むと家事や育児をしないといけないという目線を気にする人もいます。
平日休みだと、そうした役割から一時的に逃れられる。
そんな“平日休みの喜び”を感じている既婚の方もいました。
嬉しいような、悲しいような話ですが、現場では実際に聞く話です…。
恋愛や結婚への影響
休みが不規則なため、恋愛や結婚生活に影響が出ることもあります。
相手もシフト勤務であれば、休みがより合いにくくなります。
「次はこの日に一緒に休もう」「この日に出かけよう」と示し合わせて調整する。
そんな努力が、児童指導員にはいりますね。

夜勤・宿直のつらさ
そして、児童指導員の仕事で何といってもつらいのは、宿直や夜勤(当直)があることです。
多くの施設では週1回程度。
宿直の場合、週1回以上になると労働基準法に触れるため、原則できません。
夜は基本的に子どもたちは眠っていますが、夜中に起き出して声をかけに来る子もいます。
悩みを打ち明けてくることもあれば、眠れないという訴えもあります。
私の勤務していた施設では、夜中でも騒ぐ子がいて、対応に追われることもありました。
少人数、あるいは一人での対応は、なかなか追い詰められる心境になります。
手当はありますが、割に合うかといえば職場次第ですね。
有給休暇が取りにくい現実
児童指導員にとって、プライベートの悩みで最も多いのが有給休暇が取りにくいことです。
理由は明確で、慢性的な人手不足。
ニュースでもよく言われているように、児童養護施設や福祉職場は給与・待遇が低くなりがちです。
放課後等デイサービスという選択肢:入所施設の児童指導員との違いを比較
もし「シフト制がきつい」「プライベートを大事にしたい」と考えるなら、
放課後等デイサービスでの勤務も選択肢になります。
▼入所施設と比較してみると、勤務や支援内容の違いがよく分かります。(私の独断・偏見多め)
| 比較項目 | 入所施設の児童指導員 | 放課後等デイサービスの児童指導員 |
| 勤務形態 | シフト制(早番・遅番・夜勤あり) | 日中勤務(主に平日午後〜夕方) |
| 勤務時間の例 | 早番7:00〜16:00/遅番13:00〜22:00/宿直ありなど | 平日13:00〜18:00+学校休業日は9:00〜17:00など |
| 休日 | 不定期(平日・飛び石休みが多い) | 土日祝が中心(事業所による) |
| 夜勤・宿直 | あり(週1回程度) | なし |
| 支援対象 | 施設で生活する子ども(被虐待・障害児など) | 学校後に通う子ども(発達障害・グレーゾーン含む) |
| 支援内容 | 生活全般(食事・入浴・学習・感情ケアなど) | 学習支援・余暇活動など |
| 関係機関との連携 | 児相・学校・医療・家庭など多岐にわたる | 学校・家庭・相談支援事業所が中心 |
| 体力・精神負担 | 高め(長時間・夜勤・感情の起伏が大きい) | 中程度(時間短め・日中中心) |
| 給与水準 | やや高め(割に合うかは疑問) | やや低め |
| やりがい | 子どもの「生活そのもの」に関わる | 子どもの「成長や日常の一部」に関わる |
| 向いている人 | 現場でじっくり子どもと関わりたい人 | ワークライフバランスを大切にしたい人 |
放課後等デイサービスは、平日の夕方がメイン勤務です。
事業所によっては土日などの休日出勤もありますが、生活リズムは整えやすいです。
ただし、給与水準は入所施設より低い傾向があります。
また、支援する子どもの状況も異なり、家庭で暮らせないほどの困難を抱えるケースは少なめです。
子どもの呈する複雑さが少し和らぐ分、現場の関わりも違うと感じます。
まだスキルや経験に自信がなくて、「いきなり入所施設は不安」という方は、
放課後等デイサービスを選ぶのも1つの選択だと思います。
私の経験
私も以前は児童指導員として働いていました。
その後、異動という形で現場を離れ、現在は児童相談所で児童福祉司をしています。
今も児童指導員の方々と関わる機会が多く、話を聞くたびに、当時と大きくは変わっていない現状を感じます。
確かに私生活を削るところはあります。
でも、子どもにとても近い現場で支援できるやりがいは、何ものにも代えがたかったと思います。

まとめ:つらいときは「環境を変える」も選択肢
私は人間関係や労働環境に悩んだときには、転職という選択肢はいつでもあると考えています。
児童指導員の転職は決して珍しくありません。
実際に転職するかどうかは別ですが、
個人として問題解決の姿勢を持っておくと、追い込まれず、長く働き続けやすくなります。
「ここで働き続けるしかない」と考えれば、追い込まれて折れやすくなります。
転職を考えている方は、こちらの記事も参考になると思います。
▶ 経験者が3つ厳選!児童指導員おすすめ転職サイト・転職エージェント
私個人としては、障害児分野の転職ならLITALICOキャリアをおすすめしています。
幅広く扱っており、児童指導員に特化した転職支援が得意なエージェントです。
もちろん、最終的には人との相性やタイミングが大切。
「違う」と思ったら、他を検討しましょう。
あくまで“選択肢のひとつ”としてご検討ください。
関連記事
児童指導員の辛いこと、しんどいことをまとめました。
児童養護施設や障害児入所施設で働いたことのある児童指導員の方であれば、たぶん多くの方がご共感いただけるのではないでしょうか。
児童指導員の恋愛や結婚のリアルはどうなっているのか?
これまた私の独断・偏見が多めでまとめています。
児童指導員はつらいこと、きびしいことはたくさんありますが、その分のやりがいもかえってくる。
子どもは確実に成長していく。
その成長はあるとき、いきなり訪れたように見えることもあります。
変わらないように見えた日々も、あとから思えば懐かしい時間かもしれません。





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