- 精神保健福祉士のメリットは何?取る意味ある?
精神保健福祉士のメリット8つを解説
私は社会福祉士・精神保健福祉士として働いています。現場経験は約10年です。
精神保健福祉士は取る意味あるん?
精神保健福祉士は、実務上では資格を取れても「役に立たない」「意味が無い」と言えてしまいます。こちらの「精神保健福祉士は役に立たない?意味ない?【現役PSW解説】」で解説しています。
一方で、以下8つのメリットがあります。
精神保健福祉士のメリット
- 就職・転職の選択肢が増える
- 年収の高い職場で働きやすい
- 資格手当による収入UP
- 社会的信用アップ➡支援力アップ
- 専門知識が身につ
- 自信になる
- 精神保健福祉士協会に入会できる【成年後見人&認定精神保健福祉士の条件】
- 各種資格の任用資格を得たことになる
現場経験をまじえて解説します!
精神保健福祉士(PSW・MHSW)のメリット8つ【現役解説】
就職・転職の選択肢が増える
社会福祉士資格があれば就職・転職の選択肢が増えます。
就職・転職の選択肢が増える例
- 精神科病院・診療所 ・・・精神保健福祉士がほぼ必須
- SSW ・・・精神保健福祉士があれば応募できる
- 福祉職公務員 ・・・精神保健福祉士がないと応募できない場合が多い
精神科病院・診療所(クリニック)
精神科の医療機関で働くには、精神保健福祉士資格がほぼ必須です。
理由は、診療報酬制度にあります。
医療機関の利益は診療報酬制度から得ていますが、精神保健福祉士資格のない人間だと単価が安くなってしまうんですね。
経営上、精神保健福祉士資格をもっていない人だと困ってしまうのです。
精神保健福祉士が診療報酬上で算定される内容を知りたい方は、厚生労働省の「精神保健福祉士に求められる役割について」をご覧下さいね。
スクールソーシャルワーカー(SSW)
SSW(スクールソーシャルワーカー)になるには、精神保健福祉士の資格等が応募要件です。
精神保健福祉士として学校で働きたい方は、取らないと就職できませんね。詳細は「精神保健福祉士はいじめを救う仕事?【スクールソーシャルワーカーの道】」で解説しています。
精神保健福祉士の公務員
精神保健福祉士の公務員求人は、数は多く無いですが不定期に出てきます。
専門職採用として、精神分野に特化して配属されることが多いですね。
精神保健福祉士の公務員求人は定期的にチェックしておかないと、応募時期を逃してしまうでしょう。なにせ募集が不定期(欠員補充など)なので。
検索するなら、公務員求人のまとめサイトである以下がオススメです。
年齢制限無し&未経験可の求人に応募できる
あと、精神保健福祉士資格があれば年齢制限無し&未経験可となる求人が多数です。
こちらの「【年齢制限無し&経験不問!】精神保健福祉士求人の75%が歓迎」でも解説しています。
年収の高い職場で働きやすい
精神保健福祉士の年収は「どこで働くか」で変わります。
平均年収は、最小195万円~最大647万円の幅があります。
年収上位は公務員がほぼ独占しています。つまり、精神保健福祉士資格が無いと応募すらできない傾向です。
詳しくは「精神保健福祉士の給料・年収高い職場ランキング47【最新調査より】」でまとめています。
資格手当による収入アップ
精神保健福祉士資格があれば資格手当がもらえる場合があります。
社会福祉士資格手当
- 平均月額 12,227円
- 手当のある職場割合 約35%
詳細は「【発表】精神保健福祉士の資格手当の月平均【手当無し職場もある?】」で解説しています。
資格手当が無い場合であっても、「精神保健福祉士資格があれば基本給の等級が上がる」という職場があります。私も経験しました。
いずれにしても、精神保健福祉士所持者へのインセンティブを資格手当として受け取るのか、基本給で受け取るのかという違いです。
精神保健福祉士を取れば収入面においてメリットを受けやすいのは変わりないでしょう。
社会的信用アップ➡支援力アップ
精神保健福祉士資格は、一定レベルの能力をそなえている証明になります。
名刺に精神保健福祉士と書くことができますし、「精神保健福祉士の〇〇です」と名乗ることができます。よって、関係機関や利用者さん、患者さんからの信頼を得やすくなります。
支援ではラポール(信頼関係)形成が大切ですし、このことが支援力に直結していきます。
職場内でも、信頼度は上がりこそすれ、下がることは無いでしょう。
プライベートでも信用を得やすい
プライベートでも「精神保健福祉士です」と言えて、信用を得やすいです。
福祉の仕事をしています
精神保健福祉士として福祉の仕事をしています
右の方が信用できそうではないでしょうか?精神保健福祉士に権威性があるからだと思います。
例えば、以下のような時に恩恵を感じやすいと思います。
- 彼氏・彼女が欲しい
- パートナーの親に会う
「国家資格の精神保健福祉士を取った」という実績があるからですね。
パートナーの親からすると、「手に職をつけて頑張っている人なんだな」と安心してもらいやすいです。
精神保健福祉士資格があることは、信頼感を高めることはあっても下げることはまず無いでしょう。
専門知識が身につく
精神保健福祉士合格をめざすプロセスで専門知識がつきます。
「資格を取る」という目標が無ければ、毎日数時間も勉強することは無いのではないでしょうか?
わたし自身も受験生の時は、精神保健福祉士の資格勉強を頑張りました。
休日も勉強していましたが、「精神保健福祉士に合格しないと!」という目標があったからできたことです。
国家試験対策をしている真っただ中では気づきませんでしたが、精神保健福祉士を取ってから、「勉強してたから知識がついてたんだなぁ」と振り返って思えました。
自信になる
国家資格である精神保健福祉士の取得はカンタンでは無いです。
精神保健福祉士は誰でも取れる資格では無い
- 精神保健福祉士受験資格を取るには数年以上かかる
- 精神保健福祉士実習をこなさないといけない
- 国試合格率 約60%
合格率60%でふるい落とされる前に、受験資格の取得や実習というハードルがあります。
これらを越えてようやく精神保健福祉士です。自信をもって良いですね。
精神保健福祉士協会に入会できる【成年後見人&認定精神保健福祉士の条件】
日本精神保健福祉士に正会員として入会できるのは、精神保健福祉士だけです。
日本精神保健福祉士協会に入会すれば、さまざまな研修を割引料金で受けられたり、機関誌が送られてきたり、精神保健福祉士の最新情報を得やすくなります。
詳しくは「日本精神保健福祉士協会の入会メリット8つ&デメリット【元会員解説】」で解説しています。
個人的には都道府県の精神保健福祉士協会もオススメでして、「都道府県の精神保健福祉士協会【入会メリット3つ&デメリット2つ】」で解説しています。
成年後見人になれる
精神保健福祉士は、日本精神保健福祉士協会に加入して所定のプロセスを経ることで、成年後見人になれます。
高齢で単身の型がますます増えていく状況・将来予測があるので、国は成年後見人をもっと活用してもらいたい考えです。
成年後見人には高い倫理観がもとめられるうえ、大変な職務となる可能性も高いです。
それゆえ、社会福祉士資格をもつだけでなく、所定の研修などを乗り越えるハードルも用意されています。
とは言え、まずは精神保健福祉士資格をとらないと、成年後見人になれません。
成年後見人の報酬は家庭裁判所が決めることになりますが、目安をまとめると次のとおりです。
管理資産額 | 報酬額の目安/月額 |
~1,000万円 | 2万円 |
1,000~5,000万円 | 3~4万円 |
5,000万円~ | 5~6万円 |
詳しくは「成年後見人は社会福祉士・精神保健福祉士の副業になるか?」で解説しています。
認定精神保健福祉士・認定上級精神保健福祉士になれる
日本精神保健福祉士協会に入会することで認定せい・認定上級精神保健福祉士の取得を目指せます。
まだまだ実益には乏しい認定精神保健福祉士ですが、専門職全体の資質を上げるには一役買っている制度でしょう。
詳しくは「認定精神保健福祉士のメリットTOP3&なるには?【現役PSW解説】」で解説しています。
各種資格の任用資格を得たことになる
任用資格とは、特定の職業または職位に任用されるための資格です。
一例ですが、精神保健福祉士を取れば、以下の職業・職位になる資格を得たことになります。
精神保健福祉士が任用資格の職
- 社会復帰調整官
- 児童相談所 所長
- 児童相談所 児童福祉司
- 退院後生活環境相談員
- ひきこもり支援コーディネーター(専門職)
- 生活相談員
- 児童指導員
- 家庭支援専門相談員
最後に
精神保健福祉士についてもっと詳しく知りたい方は「【簡単に】精神保健福祉士とは?12視点で現役がまとめ解説」もご覧下さいね。全体像がわかるはずです。
なお、精神保健福祉士になる方法は11ルートに分かれています。学歴別や社会人などの条件に合わせた最短ルートを下記で解説していますので、ご興味のある方はチェックしてみてくださいね。
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