結婚は、人生の中でも大きな転機のひとつ。
仕事にも、考え方にも、静かに変化をもたらすイベントです。
私は社会福祉士・精神保健福祉士として十数年、現場で働いてきました。
同僚や友人の中で、「結婚してから考え方が変わった」という話をたびたび聞いてきました。
とくに男性ソーシャルワーカーのあいだでは、
「やりがいよりも、生活を支えることを意識するようになった」という声が多いのです。
この記事では、結婚6〜10年目に多くの男性福祉職が直面する“価値観の変化”を、
実例と研究をもとに整理してみます。
これから結婚を考える人、あるいは今の働き方を見直したい人のヒントになれば幸いです。
「やりがい」だけでやっていけると思っていたけれど…
福祉の仕事を選んだ理由を、思い返してみると
- 人の役に立ちたい
- 社会課題を何とかしたい
- 自分の経験やスキルを活かしたい
このような動機があったと思います。
収入などは特に意識しておらず、「やりがい」を求めていた。
ただ、結婚をすると「やりがい」だけでは回らない現実に出会います。
実は、結婚6〜10年目にかけて、妻側の“夫への期待”が変化することが研究で示されているのです。
妻の期待は「家事」から「収入」へシフトする
永井暁子『結婚生活の経過による妻の夫婦関係満足度の変化』(PDF)によると、
次のような傾向が見られます。
- 結婚後0〜5年目: 妻の満足度は「夫の家事・育児参加」や「夫の学歴」と関連
- 結婚後6〜10年目: 家事・育児時間の影響が弱まり、夫の年収が満足度に影響し始める
つまり、6〜10年目ごろから「夫がどれだけ稼ぐか」が家庭の幸福度に関わってくるのです。
これ、かなりシビアな現実です。
「やっぱりお金なのか…」と嘆きたくもなりますが(泣)
これは避けて通れない変化とも言えます。
「やりがい>稼ぐ」から「やりがい<稼ぐ」への転換
私の周囲でも、子どもが小学生になるころに転職を考える男性ソーシャルワーカーが多くいます。
「やりがいはあるけど、生活が厳しい」「家族を守るために仕方ない」
──そんな声をたびたび聞いてきました。
独身のときは、自分一人が我慢すれば済みます。
しかし家族を持つと、“やりがい”だけでは生活を支えきれない現実が立ちはだかる。
では、どうすれば後悔しない選択ができるでしょうか?
ソーシャルワーカー男性が“結婚後に後悔しない”ための3つの備え

お金の知識とスキルを身につける
お金は、急には増えません。
だからこそ、早めの準備が最大の防御になる。
- 家計簿をつける
- NISAやiDeCoなどで積立投資を始める
- 無理のない範囲で副業に挑戦する
どれも、ソーシャルワーカーにも実践可能な方法です。
“お金をコントロールできる力”は、キャリアの自由度を高めてくれるはず。
下記の記事でもまとめてあるので、ご参考になるはず。
夫婦で価値観・目標を共有する
結婚は、二人で進めるプロジェクト。
だからこそ、価値観のすり合わせ=メンテナンスが欠かせないと思います。
話し合うテーマの例は
- どんな暮らしをしたいか
- どんな家族になりたいか
- どんな働き方を望むか
私は彼女(現在の妻)と、結婚までにふたりで解決しておきたい100の質問で話し合いをしていた時期もあります。
そうして、漠然とした不安をお互いに解消し、結婚に進んでいきました。
……とはいえ、現実は簡単ではありません。
「話す時間がない」「いざ話すと喧嘩になる」「仕事で余裕がない」「平日はくたくた」
──そんな状況の人は多いと思います。
私自身も苦労しました。コミュニケーションのあり方も課題なのです。
そこで結婚後は、アサーティブ・コミュニケーションの本を読み、実践し、何度も妻と向き合いました。
今では、毎月、夫婦で話し合う日をつくりし、準備を整えたうえで真面目な話をする習慣があります。
メンテナンスはずっと続ける。
「もう大丈夫」という慢心はしないように、心がけています。
福祉業界で“収入を増やす”道を探す
「ソーシャルワーカーを続けたい。でも生活も安定させたい。」
その願いに対しては、“現実的に収入を上げる道”を検討することになる。
むしろ、検討せざるをえないのがソーシャルワーカーの現状でしょう。
資格やスキルを取得する
福祉業界では資格が強力な武器です。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
時間と努力は必要ですが、選択肢を広げる投資になります。
転職を視野に入れる
福祉業界の給与は、「何をするか」より「どこで働くか」で大きく変わります。
- 公務員(自治体・児童相談所など)
- 社会福祉法人
- 民間企業・NPO
上記は勤務先によっては年収が100〜200万円違うことも。
この社会構造を理解した上での転職検討は、地に足の着いた支援を続ける第一歩と思います。
独立・副業を考える
独立型ソーシャルワーカーとして活動する人も増えています。
理念を実現しながら収入をコントロールできる一方で、リスクも高い。
最初から飛び込むのではなく、副業から段階的に始めるのは現実的です。
成年後見人という選択肢もあります。下記記事でくわしく解説しています。
結婚後も、ソーシャルワーカーを続けながら幸せでいるために
結婚6〜10年目は、やりがいと生活のバランスを再構築する時期。
けれど、価値観の変化は悪いことではありません。
変化を自覚し、柔軟に調整できる人ほど、長く福祉を続けられる。
そう実感しています。
正直なところ、ソーシャルワーカーの仕事を続けるにはお金が必要です。
「やりがいだけでは家計を賄えなかった」
──そう話した同僚の言葉が、今も胸に残っています。
制度改善を待ちたい気持ちは本音です。
でも、人生のタイムラインは待ってくれない。
だからこそ、個人の対策が必要なのだと思います。
やりがいも大事。生活も大事。
どちらも守る働き方を、一緒に模索していきましょう。








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