
精神保健福祉士ってどこで働けくの?職場や就職先が知りたいなぁ
こうした疑問のある方へ。職場・就職先をランキングで紹介します!
この記事でわかること
- 精神保健福祉士の職場・就職先ランキングTOP60
- 精神保健福祉士の職場・就職先の分野別割合(円グラフ)

私は10年以上、社会福祉士・精神保健福祉士として様々な現場で働いてきました。
精神保健福祉士になりたいけど、どんなところで働くのかな?
そんな疑問を持っている人に向けて、この記事では精神保健福祉士の職場・就職先をランキング形式で紹介します。
この記事で使っているデータはこちらから取っています。
- 参照データ 令和2年度精神保健福祉士就労状況調査
- 調査機関 (公財)社会福祉振興・試験センター(国家試験の実施機関)
- 調査回答者 精神保健福祉士約9.3万人(全体の約40%)
それでは見ていきましょう!
精神保健福祉士の職場&就職先ランキングTOP60【どこで働く?】
精神保健福祉士の職場&就職先ランキング 1位~20位
順位 | 職場・就職先 | 割合 |
1 | 精神科病院 | 14.9% |
2 | 精神科以外の医療機関 | 8.9% |
3 | 障害者支援施設 | 8.1% |
4 | 就労支援事業所 | 7.0% |
5 | 相談支援事業所 | 6.1% |
6 | 市役所、町村役場 | 5.0% |
7 | 地域包括支援センター | 4.2% |
8 | 市区町村社会福祉協議会 | 4.1% |
9 | 居宅介護支援事業所 | 3.6% |
10 | その他の障害福祉サービス事業所 | 3.6% |
11 | 介護老人福祉施設 | 3.5% |
12 | 精神科診療所 | 2.6% |
13 | 保健所・保健センター | 2.2% |
14 | その他の高齢者福祉関係 | 1.8% |
15 | 障害児施設(入所・通所) | 1.7% |
16 | その他 | 1.7% |
17 | その他の障害者福祉関係 | 1.6% |
18 | 介護老人保健施設 | 1.5% |
19 | 地域密着型サービス事業所 | 1.3% |
20 | 居宅サービス事業所 | 1.2% |
1位 精神科病院 14.9%
1位は圧倒的に精神科病院でした。
精神科病院は精神保健福祉士を必要としています。これからも精神保健福祉士の求人はたくさん出るでしょう。
なぜなら、精神科病院は診療報酬という制度でお金をもらっています。
診療報酬には条件が決まっていて、精神保健福祉士がいないとできないことやお金がもらえないことがあるのです。
例えば、令和4年度の診療報酬改定で新しくできた「療養生活継続支援加算」というものでは、条件として「専任の精神保健福祉士が1名以上勤務していること」と決められています。
≫参考:2022年度診療報酬改定について~精神保健福祉士の評価を中心に~
つまり、精神保健福祉士を雇うことで、精神科病院はお金をもらいやすくなったり、病院の目標を達成しやすくなったりするんですね。
ちなみに、精神科病院や精神科診療所(クリニック)の求人情報はジョブメドレーにたくさんあります。
それと精神科病院では、精神保健福祉士が白衣を着たり着なかったりします。職場次第ですね。
6位 市役所・町村役場 5.0%
地方公務員として働く精神保健福祉士さんですね。
地方公務員は「行政ならでは」の仕事ができます。例えば、地域の福祉計画や予算の策定、各種相談窓口の運営、行政指導や監査などです。
やりがいが感じられるかは人それぞれですが、給料・年収は高いです。精神保健福祉士の中では一番高いかもしれません。
詳しくは、下記の記事でわかります。給料・年収が高い職場のTOP10をほぼ独占しています。
8位 市区町村社会福祉協議会 4.1%
社会福祉協議会は地域に密着した仕事ができるところですね。
例えば、以下のような事業があります。
- ホームヘルプサービス(訪問介護)
- 配食サービス
- サロン活動
- ボランティアに関する相談・紹介
- 地域の特性を踏まえた独自事業
社会福祉協議会は公務員ではありませんが、公務員並みの給料がもらえます。詳しく下記でわかります。
9位 居宅介護支援事業所
居宅介護支援事業所は、要介護度1以上の高齢者さんが、必要な介護サービスを受けられるように支援するところです。
具体的には、どんなサービスをどれくらい受けるかを決める計画を作ったり、サービスを提供する人たちと連絡を取ったりします。
ここで働く人はケアマネジャー(介護支援専門員)と呼ばれます。
ケアマネジャーの資格は精神保健福祉士が他にもつ資格としても人気があります。精神保健福祉士の約28%が持っています。
精神保健福祉士が他にもつ資格ランキングのすべては、下記の記事でわかります。
精神保健福祉士の職場&就職先ランキング 21位~40位
21位~40位 この順位層の職場はどれも0.3%~1.2%と少ないですが、気になるところがあるかもしれませんね。順位や割合を見てみましょう
順位 | 職場・就職先 | 割合 |
21 | 基幹相談支援センター | 1.2% |
22 | 児童相談所 | 1.2% |
23 | 福祉事務所 | 1.1% |
24 | その他の児童・母子福祉関係 | 1.0% |
25 | 区役所(特別区) | 1.0% |
26 | 乳児院・児童養護施設・母子生活支援施設 | 0.8% |
27 | 保護施設 | 0.7% |
28 | 精神保健福祉センター | 0.7% |
29 | 無回答 | 0.7% |
30 | その他の生活困窮者自立支援関係 | 0.6% |
31 | その他の行政機関 | 0.6% |
32 | 小学校、中学校 | 0.5% |
33 | 障害者就業・生活支援センター | 0.5% |
34 | 保育所 | 0.4% |
35 | その他の就業支援関係 | 0.4% |
36 | 児童家庭支援センター | 0.3% |
37 | その他の生活保護関係 | 0.3% |
38 | 都道府県社会福祉協議会 | 0.3% |
39 | その他の地域福祉関係 | 0.3% |
40 | その他の学校教育関係 | 0.3% |
22位 児童相談所 1.2%
児童相談所で働くには、児童福祉司任用資格が必要です。児童福祉司になるには、次の3つのステップがあります。
児童福祉司になる3ステップ
- 児童福祉司任用資格をとる
- 地方公務員試験試験に合格(都道府県等による任用)
- 児童相談所で児童福祉司として任命される
※①②は前後可能
精神保健福祉士資格を持っていれば、①はクリアできます。
児童相談所の仕事は、時代によって変わってきましたが、今は児童虐待を扱うことが多いです。私も児童福祉司として働いたことがあります。
大変で忙しい仕事ですし、感謝されたり歓迎されることも少ないです。でも、「子どもの最善の利益」を守ることが使命という大切な仕事です。
児童福祉司になる方法は、次の記事でわかります。
32位 小学校、中学校 0.5%
学校で働くのはスクールソーシャルワーカー(SSW)と呼ばれる人たちです。スクールソーシャルワーカーになるには、次の条件が必要です。
SSWになる必要条件
- 精神保健福祉士
- 社会福祉士
- 資格は無いが、実績やスキルがある人
精神保健福祉士の資格を持っていれば、あとは教育委員会の採用試験に合格すればスクールソーシャルワーカーになれます。
スクールソーシャルワーカーの仕事は、子どものいじめや不登校、虐待などの課題に対応することです。詳しくはこちらの記事を読んでみてくださいね。
34位 保育所 0.4%
実は精神保健福祉士の中には、6.1%の人が保育士資格も持っています。
保育士も精神保健福祉士と同じく名称独占の国家資格です。
保育所で働く場合は、子どもたちの発達や安全を見守るだけでなく、心理的な面もサポートすることが求められます。
精神保健福祉士の職場&就職先ランキング 41位~60位
この順位帯は、精神保健福祉士としてレアな職場と言えます。それでは見ていきましょう。
順位 | 職場・就職先 | 割合 |
41 | 公共職業安定所(ハローワーク) | 0.3% |
42 | 都道府県庁 | 0.3% |
43 | 介護医療院、介護療養型医療施設 | 0.2% |
44 | 障害児相談支援事業所 | 0.2% |
45 | 保護観察所・地方更生保護委員会 | 0.2% |
46 | 身体障害者更生相談所 | 0.1% |
47 | 知的障害者更生相談所 | 0.1% |
48 | 子育て世代包括支援センター | 0.1% |
49 | 婦人保護施設 | 0.1% |
50 | 独立型精神保健福祉士事務所 | 0.1% |
51 | ひきこもり地域支援センター | 0.1% |
52 | 高等学校 | 0.1% |
53 | 大学、短大等 | 0.1% |
54 | 障害者職業センター | 0.1% |
55 | 矯正施設 | 0.1% |
56 | 更生保護施設 | 0.1% |
57 | 地域生活定着支援センター | 0.1% |
58 | EAP | 0.1% |
59 | 無料低額宿泊所 | 0.0% |
60 | その他の司法関係 | 0.0% |
この順位帯では、行政機関が多いですね。『福祉職公務員』とも呼ばれます。
福祉職公務員になるには、公務員試験に合格する必要があります。また、専門的な知識が求められる場合もあります。
興味がある方は、事前に情報収集や準備をしっかりと行ってくださいね。
精神保健福祉士の職場・就職先【分野別割合】
上記の職場を分野別にまとめて円グラフにしました。
精神保健福祉士の職場&就職先で1番多い分野は、障害福祉です。
2番目に多いのは医療現場です。ここでは、精神科病院や一般病院などで働きます。
4位の行政は、公務員として働く分野です。ここでは、都道都道府県庁や市区町村役場などで働きます。
精神保健福祉士の資格を持つと、これらの分野で働くチャンスが広がります。ただし、競争率は高いので、試験対策や面接対策などをしっかりと行う必要があります。
あなたの進路決定に役立ててくださいね!
なお、「じゃあ、どうやって就職したら良いの?」「精神保健福祉士の仕事を見つける方法は?」と思った方は、こちらの記事でたくさんの方法を知ることができますよ!
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