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相談支援事業所は何するところ?元職員が仕事内容と現場リアルを解説

相談支援事業所は何するところ?元職員が仕事内容と現場リアルを解説
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相談支援事業所は、何をするところなの?

私は以前、障害のある方を対象とする相談支援事業所で働いていました。

これから相談支援事業所で働こうか考えている方に向けて、私が実際に担当していた仕事内容をお話しします。

私が主に担当していたのは、次の三つです。

担当した業務

  1. 精神障害のある方を対象とした「一般相談支援事業」
  2. 「特定相談支援事業」、いわゆる計画相談
  3. 障害支援区分の認定調査

同じ「相談支援事業所の仕事」でも、この3つは性質が違いました。

一般相談は、何をするのかが決まっていません。

計画相談は、計画の作成やモニタリングという仕事がある程度、決まっています。

認定調査は、調査項目に沿って聞き取り、調査票を作成します。

私は、この三つを行ったり来たりしながら働いていました。

筆者:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働く現役ソーシャルワーカー。児童相談所などで十数年の実務経験あり。
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この記事を書いた人

相談支援事業所の一般相談支援事業は、答えの決まっていない仕事

私が働いていた事業所では、自治体から委託費を受け、精神障害のある方への一般相談を担当していました。

新規の相談電話がかかってくることも、よくありました。

相談内容は、本当にさまざまです。

ただ話を聞いてほしい。

不安な気持ちを誰かに聞いてほしい。

家族との関係に苦しんでいる。

自分の病気と、どう付き合えばいいのか分からない。

働きたいけれど、思うように働けない。

生活が成り立たなくなってきた。

利用できる障害福祉サービスがないか知りたい。

私の記憶では、具体的な手続きの相談よりも、まずは不安や気持ちを聞く相談のほうが多かったように思います。

一般相談支援事業には、最初からゴールがない

一般相談の難しいところは、答えが決まっていないことです。

何を目標にするのか。

相談支援事業所として、どこまで関わるのか。

今、この人に何が必要なのか。

最初から決められた正解はありません。

当時、経験の少なかった私にとっては、かなり難易度の高い仕事でした。

「自分には何ができるのだろう」

「自分の機関として、何ができるのだろう」

その都度、考えなければいけませんでした。

今なら、もう少し楽しんでできる気もします。

ただ、当時の私には、この自由さが返って難しかったです。

家庭訪問でも、通院同行でも、不動産屋への同行でもいい

一般相談では、支援の方法もかなり自由でした。

事業所で面接をしてもいい。

家庭訪問をしてもいい。

通院に同行してもいい。

買い物に同行してもいい。

一人暮らしに悩んでいる方と、不動産屋へ行ってもいい。

決められた仕事だけをこなすのではなく、相談者の状況に合わせて手立てを考えていきます。

そこに面白さを感じられる人は、一般相談にやりがいを感じられると思います。

一方で、決められた手順や明確な正解がないと不安になる人には、しんどい仕事かもしれません。

計画相談は、障害福祉サービスの利用を支える仕事

2つ目は、特定相談支援事業です。

業界内では「計画相談」あるいは「計画」と呼ばれています。

障害福祉サービスを利用する際には、サービス等利用計画の作成が必要になります。

本人が自分で作る「セルフプラン」という方法もあります。

ただ、自分だけで制度を調べ、利用する事業所を探し、必要なサービスを整理するのは簡単ではありません。

そのため、計画相談支援事業所へ作成を依頼する方が多いです。

私が働いていた事業所では、自治体から依頼を受けて担当することが多かったです。

担当が決まると、まず本人と面接をします。

現在の生活状況。

どのようなことに困っているのか。

なぜ障害福祉サービスを利用したいのか。

サービスを利用した先で、どのような生活を送りたいのか。

そうした話を聞きながら、サービス等利用計画を作成していました。

当時は、基本的に一回の面接で聞き取りを終えていた記憶があります。

今振り返ると、もっと時間をかけて聞けたことや、違う聞き方ができたこともあったと思います。

それでも当時は、限られた時間の中で計画を作り、自治体へ提出していました。

計画相談は、計画を作るだけでは終わらない

計画相談では、計画を新しく作成したときや、モニタリングを行ったときに報酬が発生します。
≫参考:厚生労働省 障害福祉サービス費等の報酬算定構造(R6) PDF

ただ、実際の仕事は、それだけではありません。

生活上の困りごとは、計画を作成する時期に合わせて起きてくれるわけではないからです。

お金がなくなった。

家族との関係が悪化した。

仕事を辞めることになった。

サービス事業所と合わなくなった。

生活保護を申請したい。

住む場所がなくなりそうだ。

こうした相談は、計画作成やモニタリングとは関係なく発生します。

そして、その相談に対応しても、必ず報酬が発生するわけではありません。

いわば、持ち出しで行う相談支援です。

ここが、計画相談という事業の苦しいところだと私は感じていました。

「それは誰がやる仕事ですか」が起こりやすい

一人の利用者に対して、複数の事業所が関わることがあります。

例えば、就労継続支援B型事業所を利用しながら、居宅介護のヘルパーも利用している場合です。

そこに計画相談支援事業所が加われば、少なくとも三つの事業所が関わることになります。

その中で生活上の問題が起きると、次の話が出てきます。

「この支援は、誰が担当するのか」

例えば、本人が生活保護を申請したいと話したとします。

福祉事務所への同行や、申請の準備を誰が支援するのか。

B型事業所なのか。

ヘルパー事業所なのか。

計画相談支援事業所なのか。

制度上、いつも明確な答えがあるわけではありません。

誰がやってもいい仕事である一方、誰が必ずやると決められているわけでもありません。

だから、話し合いが必要になります。

しかし実際には、

「その支援は、うちの専門ではありません」

「計画相談がやる仕事でしょう」

と言われ、計画相談支援事業所へ支援が回ってくることもありました。

利用者と日常的に関わっているのは、B型事業所やヘルパーであることも多いです。

最初に相談を聞くのも、その職員という場合が多い。

それでも、ノウハウがない、役割ではないという理由で、計画相談へ渡されることがありました。

当時は、支援を丸投げされたように感じることもありました。

実際、何でも計画相談へ渡せばいいという話ではありません。

それでは仕事を続けられなくなります。

一方で、今の私は少し違うことも考えます。

丸投げしてくるように見える人も、結局は、その支援をできないから頼んでいるのかもしれない。

だからといって全部引き受ける必要はありません。

ただ、「そちらの仕事ではない」と返すだけで、本当に本人の生活を守れるのか。

ここは、今でも答えが決まっていません。

そのときの本人の希望や、各事業所ができることを確認しながら、毎回考えるしかないのだと思います。

報酬体系が、計画相談を続けにくくしている

計画相談では、計画作成やモニタリングのタイミングで報酬が発生します。

しかし、その間に行う電話相談、関係機関との調整、同行、緊急の対応などは、十分に報酬へ反映されないことがあります。

私が働いていた当時も、手間に対して単価が安い、割に合いにくい事業だと感じていました。

計画を作るだけなら、必要な作業は見えやすいです。

しかし、本人の生活を本当に支えようとすれば、計画の作成だけでは済みません。

ここに、計画相談支援事業所が増えにくい理由の一つがあると私は考えています。

相談員の熱意やサービス残業を前提にしなければ成り立たないのであれば、それは個人の努力ではなく、報酬体系の問題です。

計画相談は、一般相談よりも仕事が見えやすい

計画相談には、サービス等利用計画を作成し、自治体へ提出するという明確な仕事があります。

その後は、モニタリングを行います。

もちろん、ケースによって関わり方は変わります。

それでも、何をすべきかが比較的、見えやすい仕事です。

これは、一般相談支援との大きな違いでした。

一般相談では、相談を受けたところから、目標も支援方法も考えなければいけません。

計画相談では、少なくとも「障害福祉サービスの利用を支える」という枠組みがあります。

決められた仕事があるほうが動きやすい人には、計画相談のほうが取り組みやすいかもしれません。

障害支援区分の認定調査も担当していた

3つ目は、障害支援区分の認定調査です。

障害支援区分の認定調査は、本来、自治体が責任を持って行う業務です。

ただし、自治体が適切に調査を行える事業者へ委託することも認められています。

私が働いていた事業所は、その委託を受けていました。

自治体側では、申請の受付、主治医意見書の依頼、審査会の準備などを行います。

私は、本人への聞き取りと、認定調査票の作成を主に担当していました。

障害支援区分認定調査の流れ

おおまかな流れは次のとおりです。

調査業務の流れ

  1. 自治体から調査の依頼を受ける
  2. 調査対象者へ連絡する
  3. 調査日時と場所を決める
  4. 本人や家族から聞き取りを行う
  5. 認定調査票を作成する
  6. 自治体へ提出する

調査場所は、役所、相談支援事業所、本人の自宅などでした。

訓練等給付のサービスを利用する方は、役所などで面接することもありました。

居宅介護や生活介護など、障害支援区分が必要となる介護給付を利用する方には、家庭訪問をすることが多かったです。

生活の場を見なければ分からないことがある

介護給付を利用する方の場合、なぜ家庭訪問をしていたのか。

それは本人が、自分の生活上の困りごとをすべて言葉で説明できるとは限らないからです。

また、こちらも、言葉だけで生活の実態を理解できるとは限りません。

実際に生活している家を見ると、言葉だけでは分からないことが見えてきます。

物の置かれ方。

移動のしにくさ。

片づけの状況。

食事や入浴をどのように行っているのか。

家族がどれだけ支援しているのか。

本人が「できています」と話していても、家族の支援がなければ成り立っていないこともあります。

家庭訪問は、本人を疑うために行うものではありません。

本人の説明だけに負担をかけず、生活の実態を客観的に理解するための方法です。

障害支援区分認定調査は、できないことを聞かれるしんどい面接

認定調査の聞き取りは、基本的に一回、一時間ほどで終えるようにしていました。

追加の聞き取りを行うこともできます。

ただ、認定調査を受ける本人にとっては、かなり負担のある面接です。

できないこと。

困っていること。

人の手を借りていること。

普段は隠しておきたいこと。

そうした話を、次々に聞かれます。

人によっては、不安になったり、強いプレッシャーを感じたりします。

そのため、必要なことは確認しながらも、できるだけ本人の負担が大きくならないように意識していました。

障害支援区分認定調査は、事前に予習できる仕事

認定調査の前には、本人の病気や障害について調べるようにしていました。

もちろん、病名だけで本人の生活を決めつけることはできません。

同じ病気や障害でも、困りごとは一人ひとり違います。

それでも、病気や障害の特徴を知っておけば、聞き漏らしを減らすことができます。

例えば、うつ病の方であれば、動作としてはできても、意欲がわかず実行できないことがあります。

  • 買い物へ行けない
  • 入浴の準備ができない
  • 歯を磨けない
  • 眠れない
  • 生活リズムが崩れている

こうした点を意識して聞くことができます。

発達障害のある方であれば、身の回りのことはできていても、対人関係や社会生活で大きな困りごとが起きている場合があります。

  • 相手の意図を読み違える
  • やりとりが一方的になる
  • 予定の変更に対応できない
  • 人とのトラブルが繰り返される

こうした行動面や社会生活上の困りごとも確認する必要があります。

身体障害のある方であれば、寝返り、立ち上がり、移動、入浴、排せつなど、日常生活動作を中心に確認します。

知的障害のある方であれば、身の回りのことだけでなく、金銭管理、行政手続き、危険の判断、対人関係など、生活全体を幅広く見る必要があります。

認定調査には、当日にならなければ分からない部分があります。

それでも、病気や障害について予習しておけば、まったくの出たとこ勝負にはなりません。

事前に準備してから取り組める仕事です。

障害支援区分認定調査の流れや調査内容、認定調査員になる方法については、別の記事で詳しく解説しています。

相談以外の仕事もある

私が働いていた法人では、この3つ以外の仕事もありました。

  • 地域住民を対象とした啓発活動
  • 法人内部の会議
  • 地域のネットワークづくり
  • 社会福祉法人として必要になる事務や行事

相談支援専門員だから、毎日ずっと相談だけをしているわけではありません。

事業所や法人によっては、かなり多くの役割を兼ねることになると思います。

私は、仕事内容そのものは好きになれる部分もありました。

相談支援事業所の働き方は、一人で動く時間が多い

相談支援事業所では、一人で外へ出て動く時間が多くなります。

毎日、利用者が事業所へ通ってくる仕事ではありません。

  • 本人に事業所へ来てもらう
  • 家庭訪問をする
  • 病院や役所へ同行する
  • 電話で相談を受ける
  • 関係機関を訪問する

動き方だけを見れば、営業職に少し近いところもあります。

事業所の中で待っているだけではなく、自分で予定を組み、外へ出ていく仕事です。

個人用の携帯電話を持たされる事業所もあると思います。

時間外に電話対応をするかどうかは、事業所の方針によって違います。

私は、基本的には対応時間を決めておいたほうがよいと考えています。

「いつでも電話してください」と伝えてしまうと、相談員も利用者も苦しくなることがあります。

対応できる時間と、できない時間を明確にすることが、かえって信頼につながる場合もあります。

ただ、実際には夜間も電話を受けている相談員を見たことがあります。

どこまで対応するかは、就職前に確認したほうがよい点です。

私が働いていた事業所の年収と残業

私が働いていた当時の年収は、400万円には届かず、300万円台半ばほどでした。

実際、社会福祉士への実態調査では、相談支援事業所の平均年収は387万円となっています。

残業は、毎日何時間も続くほどではありませんでした。

多くても一時間ほどで帰っていたと思います。

ただし、残業代は出ませんでした。

すべてサービス残業でした。

いま考えても、ひどい働かせ方だったと思います。

有給休暇も、制度上は取れたはずです。

しかし、同僚たちも私も、あまり取っていませんでした。

これは、相談支援事業所すべてに共通する話ではありません。

ただ、相談員の善意や責任感に頼り、時間外の相談や調整を無報酬で行わせる職場はあると思います。

相談支援の仕事に関心があっても、そこまで受け入れる必要はありません。

仕事内容へのやりがいと、労働条件の悪さは別の話です。

相談支援事業所の将来性はあるが、給与が大きく伸びる事業ではない

相談支援事業所の役割が、今後すぐになくなるとは考えにくいです。

障害福祉サービスを利用する方にとって、サービスを調整し、生活全体を一緒に考える人は必要です。

一方で、事業として大きな利益を出しやすい仕組みではありません。

相談が増えれば、相談員の仕事も増えます。

しかし、相談した時間や動いた時間が、そのまま報酬になるわけではありません。

そのため、給与が爆発的に伸びる仕事とは考えにくいです。

私の感覚では、低めから平均程度の給与で推移しやすい仕事です。

これは、相談員の能力が低いからではありません。

現在の報酬体系では、人を増やし、給与を上げながら事業を成長させることが難しいからです。

相談支援の重要性が語られる一方で、その仕事を続けられるだけの報酬が十分に用意されているのか。

ここには、今も課題があると思っています。

相談支援事業所の経験は、今の児童福祉司の仕事にも生きている

私は現在、児童相談所で児童福祉司として働いています。

相談支援事業所で働いた経験は、今の仕事にもかなり活きています。

児童虐待への対応であれば、まず虐待を止めるという目標があります。

しかし、児童相談所へ寄せられる相談が、すべて虐待相談とは限りません。

  • 家族が何に困っているのか
  • 本人はどうなりたいのか
  • どこを目標にするのか
  • 児童相談所として何ができるのか
  • 関係機関へ何を頼むのか

こうしたことを、相談の中で一から考える場面があります。

それは、一般相談支援事業の仕事とよく似ています。

最初からゴールが決められていない中で、本人と一緒に目標を探し、使える手立てを考える。

当時は難しいと感じていた経験が、今になって役立っています。

相談支援事業所は、決められたことだけをする職場ではない

相談支援事業所の仕事内容は、事業所によってかなり違います。

私が経験したのは、一般相談、計画相談、障害支援区分認定調査を中心とした事業所でした。

一般相談では、答えのない相談に向き合います。

計画相談では、サービス等利用計画を作成しながら、計画には書き切れない生活上の問題にも関わります。

障害支援区分認定調査では、本人の生活を丁寧に聞き取り、必要な支援を調査票へ反映します。

相談支援事業所は、自由度が高く、何をすればいいのか迷うことも多い。

「それは誰の仕事なのか」と、支援者同士で意見がぶつかることもあります。

必要とされる仕事である一方、報酬や労働条件が十分とはいえない職場もあります。

それでも、人の話を聞き、その人の生活に合わせて支援を考える仕事がしたい人にとっては、面白さのある仕事です。

相談支援事業所で働くことを考えている方には、仕事内容だけでなく、担当件数、時間外対応、携帯電話の扱い、残業代、相談員同士の協力体制まで確認してほしいと思います。

同じ相談支援事業所でも、働きやすさはかなり違うはずです。

ご参考になったら幸いです。

障害支援区分認定調査について詳しく知りたい方へ

相談支援事業所で担当することがある、障害支援区分認定調査については、別の記事で詳しく解説しています。

調査の流れや聞き取り内容、認定調査員になる方法を知りたい方は、こちらもご覧ください。

この記事を書いた人
ぱーぱす

自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士|現場経験15年、地域・医療・行政の3つの立場を経験。ブログ歴6年、記事約400本。福祉職のキャリアや生活に役立つ実践的な情報を発信しています。

詳細プロフィールはこちら

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