
担当の仕事がとっても増えちゃった…。どうしたらいいの…?
児童相談所の現場では、ある日いきなり、人が足りなくなることがあります。
- 誰かが休職する
- 退職する
- 異動する
- 採用そのものが追いつかない
すると、その空いた穴を、残った誰かが埋めることになる。
これは別に、児童相談所だけの話ではありません。
介護も。
医療も。
障害分野も。
全国的に、福祉現場は人が足りない。
そして、その「全国的な話」が、自分の現場にも降ってくる。
「自分の担当ケースが増える」という形で。
私自身も、まさにそうでした。
児童相談所の児童福祉司(ケースワーカー)として働くなか、
担当ケースが1.3倍くらいに増えた経験があります。
その時、私は思いました。
これはもう、頑張ればなんとかなる量ではない
何かを削らなければいけないと思いました。
「全部ちゃんとやる」は、無理だった
私は、支援に手を抜きたくありません。
できれば、一件一件ちゃんと対応したい。
- 丁寧に話を聞きたい。
- 会いに行きたい。
- じっくり考えたい。
でも、ケース数が1.3倍に増えて、絶対的に時間が足りなくなりました。
例えば、施設入所中の子どもと面接をしようと思えば、基本的には夕方しか難しい。
- 日中 → × 子どもは学校がある
- 放課後の夕方 → 〇
- 夜(夕食後) → × 時間が遅すぎる
つまり、面接できる時間帯そのものが、夕方に限られている。
しかも、1か月の平日はおよそ20日程度。
夕方という「面接可能枠」は、実はかなり少ないんです。
だから、ケースが急増すると、単純に“会えなくなる”。
NARUTOみたいに、影分身でも作らないとムリです。
多重影分身の術#NARUTO pic.twitter.com/YeSl1by84H
— NARUTO・BORUTO【原作公式】 (@NARUTO_kousiki) November 17, 2023
だから私は、これまで会えていた頻度を、落とさざるを得ない。
やむなく、そう考えました。
本当は会いたい。でも、物理的に、どうしてもできません。
支援の質を下げるしかない時がある
福祉職は、真面目な人が多いと思います。
一応、私もそのつもりです。
だから、
- もっと頑張れば・・・
- 自分の能力不足だ・・・
- 根性が足りない・・・
そう思ってしまいやすい。
でも、ケースワークって、気合いだけで回る仕事ではありません。
むしろ、無理を続けると人が倒れる。
そして、人が倒れると、ケースも倒れる。
さらに、その穴埋めを周囲がすることになって、また別の誰かが崩れだす。
そういう連鎖が、現場ではよくあります。
だから私は、決めました。これはもう、「質を下げるしかない段階」だと。
もちろん、全くもって理想ではありません。
決めたはいいが、実際に実行してみると、自分がとても不甲斐なく感じられます。
でも、理想だけでは回らない。
自分の努力でどうにかできるレベルを明らかに超えていたのです。
優先順位をつけるしかない
だから私は、ケースを見直しました。
優先順位を考える
- リスクが高いケース
- 動きが活発なケース
- 介入頻度が必要なケース
ここは維持する。
一方で、
- 比較的落ち着いているケース
- 施設や学校と連携が取れているケース
- 家庭側で一定対応できているケース
こうしたケースは、対応頻度を下げるしかない。
そうやって、「限られた時間」を再配分することにしました。
本当は全部やりたい。
自分の中で、”手を抜く”ということがいかに苦痛であるか。
ここでまた、自分の性格や性分に突き当たるように感じました。
でも、今まで通りの仕事の仕方では、自分が倒れる…。
自分が倒れたら、ケースも、周りの同僚たちも、崩れてしまう。
そうやって、自分を正当化しているだけじゃないのか?
自問自答を繰り返す。
でもやっぱり、全部はできない。
理想と現実の折り合いを、つけるしかない。
福祉の現場って、きっと、
理想と現実の折り合いをつけ続ける仕事です。
「自分だけが我慢すればいい」は危ない
ただ、ここで難しいのは、
現場のしんどさを、どう伝えるかです。
上に言い続ければ、「また言ってる」と思われることもある。
だから、どのタイミングで、どのカードを切るかは難しい。
でも一方で、「自分さえ我慢すればいい」で回し続けるのも危険です。
なぜなら、ケースワークには必ず“後任”が来るから。
自分が無理して成立させていた仕事は、次の人を苦しめることがある。
例えば、後任にバトンタッチしたあと、
後任が「仕事量が多すぎます。何とかなりませんか?」と言ったところで、
「前の担当はできていたよ?」
と言われてしまう。
だから、
- ケース数
- 面接回数
- 移動時間
- 対応件数
こうした数値化できる負荷を、はっきりと数値で示しておくことは有効だと思います。
これは、自分のためだけではなく、いずれ引継ぐ次の人のためでもある。
ムリをして仕事を成立させると、
後任を苦しめるし、
クライエントへの支援の質の低下にもつながりかねない。
実は、けっこう罪なやり方かもしれません。
福祉職は、ギリギリで回っている
児童相談所でも、虐待対応でも、相談支援でも。
現場は、ギリギリで回っています。
もちろん、すごくタフな人もいる。
楽しそうに働いている人もいる。
ある意味、“ネジが何本か外れている”くらいの人が、過酷な現場で生き残っていたりします。
でも、普通にやっていたら、しんどい。
しんどくないわけがない。
だから、福祉職で疲れている人がいたら、「自分が弱いからだ」と思いすぎなくていいと思うんです。
まとめ
人が足りない福祉現場で、どう立ち回るか?
支援を続けるためには、
- ケースの優先順位をつける
- 支援量を減らす
悔しいですが、現実選択として必要になると思います。
理想だけでは、長くは続かない。
とはいえ、最後に、現場の本音を言うなら、
もう本当に、誰か来てくれ。助けてくれ!
です。マジで。
ここまでボヤキを聞いていただき、ありがとうございました。
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