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児童福祉

支援の手を抜きたくない。でも、もう限界だった|児童相談所の児童福祉司の体験談

zisou-genkai
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担当の仕事がとっても増えちゃった…。どうしたらいいの…?

児童相談所の現場では、ある日いきなり、人が足りなくなることがあります。

  • 誰かが休職する
  • 退職する
  • 異動する
  • 採用そのものが追いつかない

すると、その空いた穴を、残った誰かが埋めることになる。

これは別に、児童相談所だけの話ではありません。

介護も。
医療も。
障害分野も。

全国的に、福祉現場は人が足りない。

そして、その「全国的な話」が、自分の現場にも降ってくる。

「自分の担当ケースが増える」という形で。

私自身も、まさにそうでした。

児童相談所の児童福祉司(ケースワーカー)として働くなか、
担当ケースが1.3倍くらいに増えた経験があります。

その時、私は思いました。

これはもう、頑張ればなんとかなる量ではない

何かを削らなければいけないと思いました。

筆者:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働く現役ソーシャルワーカー。児童相談所などで十数年の実務経験あり。
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この記事を書いた人

「全部ちゃんとやる」は、無理だった

私は、支援に手を抜きたくありません。

できれば、一件一件ちゃんと対応したい。

  • 丁寧に話を聞きたい。
  • 会いに行きたい。
  • じっくり考えたい。

でも、ケース数が1.3倍に増えて、絶対的に時間が足りなくなりました。

例えば、施設入所中の子どもと面接をしようと思えば、基本的には夕方しか難しい

  • 日中 → × 子どもは学校がある
  • 放課後の夕方 → 〇
  • 夜(夕食後) → × 時間が遅すぎる

つまり、面接できる時間帯そのものが、夕方に限られている。

しかも、1か月の平日はおよそ20日程度。

夕方という「面接可能枠」は、実はかなり少ないんです。

だから、ケースが急増すると、単純に“会えなくなる”。

NARUTOみたいに、影分身でも作らないとムリです。

だから私は、これまで会えていた頻度を、落とさざるを得ない。

やむなく、そう考えました。

本当は会いたい。でも、物理的に、どうしてもできません。

支援の質を下げるしかない時がある

福祉職は、真面目な人が多いと思います。
一応、私もそのつもりです。

だから、

  • もっと頑張れば・・・
  • 自分の能力不足だ・・・
  • 根性が足りない・・・

そう思ってしまいやすい。

でも、ケースワークって、気合いだけで回る仕事ではありません。

むしろ、無理を続けると人が倒れる。

そして、人が倒れると、ケースも倒れる。

さらに、その穴埋めを周囲がすることになって、また別の誰かが崩れだす。

そういう連鎖が、現場ではよくあります。

だから私は、決めました。これはもう、「質を下げるしかない段階」だと。

もちろん、全くもって理想ではありません。

決めたはいいが、実際に実行してみると、自分がとても不甲斐なく感じられます。

でも、理想だけでは回らない。
自分の努力でどうにかできるレベルを明らかに超えていたのです。

優先順位をつけるしかない

だから私は、ケースを見直しました。

 優先順位を考える

  • リスクが高いケース
  • 動きが活発なケース
  • 介入頻度が必要なケース

ここは維持する。

一方で、

  • 比較的落ち着いているケース
  • 施設や学校と連携が取れているケース
  • 家庭側で一定対応できているケース

こうしたケースは、対応頻度を下げるしかない。

そうやって、「限られた時間」を再配分することにしました。

本当は全部やりたい。
自分の中で、”手を抜く”ということがいかに苦痛であるか。

ここでまた、自分の性格や性分に突き当たるように感じました。

でも、今まで通りの仕事の仕方では、自分が倒れる…。
自分が倒れたら、ケースも、周りの同僚たちも、崩れてしまう。

そうやって、自分を正当化しているだけじゃないのか?

自問自答を繰り返す。

でもやっぱり、全部はできない。

理想と現実の折り合いを、つけるしかない。

福祉の現場って、きっと、
理想と現実の折り合いをつけ続ける仕事です。

「自分だけが我慢すればいい」は危ない

ただ、ここで難しいのは、
現場のしんどさを、どう伝えるかです。

上に言い続ければ、「また言ってる」と思われることもある。

だから、どのタイミングで、どのカードを切るかは難しい。

でも一方で、「自分さえ我慢すればいい」で回し続けるのも危険です。

なぜなら、ケースワークには必ず“後任”が来るから。

自分が無理して成立させていた仕事は、次の人を苦しめることがある。

例えば、後任にバトンタッチしたあと、
後任が「仕事量が多すぎます。何とかなりませんか?」と言ったところで、
「前の担当はできていたよ?」
と言われてしまう。

だから、

  • ケース数
  • 面接回数
  • 移動時間
  • 対応件数

こうした数値化できる負荷を、はっきりと数値で示しておくことは有効だと思います。

これは、自分のためだけではなく、いずれ引継ぐ次の人のためでもある。

ムリをして仕事を成立させると、
後任を苦しめるし、
クライエントへの支援の質の低下にもつながりかねない。

実は、けっこう罪なやり方かもしれません。

福祉職は、ギリギリで回っている

児童相談所でも、虐待対応でも、相談支援でも。

現場は、ギリギリで回っています。

もちろん、すごくタフな人もいる。
楽しそうに働いている人もいる。

ある意味、“ネジが何本か外れている”くらいの人が、過酷な現場で生き残っていたりします。

でも、普通にやっていたら、しんどい。
しんどくないわけがない。

だから、福祉職で疲れている人がいたら、「自分が弱いからだ」と思いすぎなくていいと思うんです。

まとめ

人が足りない福祉現場で、どう立ち回るか?

支援を続けるためには、

  • ケースの優先順位をつける
  • 支援量を減らす

悔しいですが、現実選択として必要になると思います。

理想だけでは、長くは続かない。

とはいえ、最後に、現場の本音を言うなら、

もう本当に、誰か来てくれ。助けてくれ!
です。マジで。

ここまでボヤキを聞いていただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人
ぱーぱす

自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士|現場経験15年、地域・医療・行政の3つの立場を経験。ブログ歴6年、記事約400本。福祉職のキャリアや生活に役立つ実践的な情報を発信しています。

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