児童相談所の児童福祉司というと、
- 家庭訪問
- 面接
- ケース会議
- 一時保護
といった仕事をイメージする方が多いかもしれません。
しかし実際には、それだけではありません。
場合によっては、
- 警察
- 検察庁
- 裁判所
- 留置施設
など、司法の現場に足を運ぶこともあります。
私自身、児童福祉司にならなければ、一生行くことがなかっただろうと思う場所です。
今回は、児童相談所の児童福祉司が裁判や検察とどのように関わるのか、現場の実感をもとにお話しします。
児童福祉司が裁判所や検察に行くのはどんなときか
保護者が罪を犯しているケース
最も分かりやすいのは、保護者が罪を犯しているケースです。
例えば、
- 重篤な身体的虐待
- 性的虐待
- 暴力事件
- 薬物事件
- 窃盗事件
- 交通事故による過失致死
などです。
こうした場合、保護者が警察や検察、裁判所で手続きを受けることがあります。
そして、その人は子どもの親です。
親が今後どうなるのか。
子どもが再び家庭で生活できるのか。
それは児童相談所にとって重要な情報になります。
検察による事情聴取に関わることもある
虐待事件では、検察が子どもに対して事実確認を行うことがあります。
その際に、
- 児童福祉司が同行する
- 児童福祉司が別室で待機する
- 児童福祉司が聴き取りを担当する
ことがあります。
独特の緊張感がある現場です。
児童福祉司としての専門性が求められる場面でもあります。
なぜ児童相談所が司法と関わるのか
「なぜ児童相談所がそこまで関わるのか」
そう思う方もいるかもしれません。
しかし、児童相談所の仕事は単に虐待の有無を判断することではありません。
保護者の罪を、ジャッジする立場でもありません。
子どもが今後、どこで、誰と、どのように暮らしていくのか。
そこを考える立場です。
したがって、
- 保護者が逮捕されている
- 裁判中である
- 刑事処分を受ける可能性がある
そうした情報は、家庭復帰を考える上で大切な要素です。
親がどう考えているのか。
責任をどう受け止めているのか。
再発の可能性はどうか。
そうしたことを考える材料になるから、足を運ぶのです。
公判を傍聴することもある
児童福祉司は、公判を傍聴することがあります。
また、場合によっては証人として法廷に立つこともあります。
裁判所は司法判断を下す場所です。
そして、その判断によって人生が大きく変わります。
私は公判を傍聴するたびに思うのですが、一文字一文字の重みが大きい。
録音等は禁止されているので、速記で対応します。そうしたなかで、言葉の重さを強く感じます。
児童福祉司の決断と裁判所の決断
少し乱暴な言い方かもしれませんが、裁判官と児童福祉司には共通点があるようにも感じます。
もちろん立場も権限も違います。
ただ、
- 一時保護するかどうか
- 施設入所するかどうか
- 家庭復帰できるかどうか
- どのような措置を取るのか
児童福祉司も重い判断に関わります。
そして、その判断によって誰かが傷つくこともあります。
誰もが納得する結論。
誰もが幸せになる結論。
現実には、そうそうありません。
もっと言えば、児童相談所が関与するほど悪化した状況では、もはや誰かが泣くのです。
その覚悟がいります。
その意味では、裁判所の決断に触れることは、ケースワークを考える上でも学びになると感じています。
被告人も、被害者も、検察も、国民も、みんながハッピーという決断は無いでしょう。
ケースワークでは一次情報が大切
私はケースワークで大切なのは、できるだけ一次情報に近づくことだと思っています。
- 実際に足を運ぶ
- 直接話を聞く
- 現場を見る
もちろん時間も労力もかかります。
それでも、支援の質は情報の質に大きく左右されます。
だからこそ、「聞いた話」だけではなく、「自分の目で確認した事実」を増やしていくことが大切だと思っています。
児童福祉司の仕事ではメンタルケアも重要
ただ、こうした現場は刺激が強いです。
特に若い頃は、
- 気づかないうちに疲れていた
- 無意識に消耗していた
ということもあります。
実際、私が見てきた先輩たちも、何らかの形で体調を崩した経験がある人は少なくありません。
だからこそ、「自分は大丈夫」と思っている人ほど気をつけた方がいいと思います。
ストレスへの強さと、ストレスの影響を受けないことは別です。
仕事の技術だけではなく、自分自身の心身を守る技術も必要です。
まとめ
児童相談所の児童福祉司は、家庭訪問や面接だけをしている仕事ではありません。
場合によっては、
- 警察
- 検察
- 裁判所
- 留置施設
など、司法の現場とも関わります。
それは子どもの安心・安全を考える上で必要だからです。
児童福祉司にならなければ、見ることのなかった世界があります。
そして、その経験はケースワークの判断や支援の質にもつながっていきます。
だからこそ、できるだけ現場に足を運び、自分の目で事実を確認する。
その積み重ねが、支援の土台になるのだと思います。





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