
こんな疑問を持っている方へ。
はじめに結論です。
- 社会福祉士に多い性格を一言で表すことはできない
- 外交的・内向的に関係なく、さまざまな人が活躍している
- 大切だと思うのは、想像力と倫理観
- 知識や技術は後から学べるが、その土台となる価値観はとても重要
私は社会福祉士・精神保健福祉士として、およそ15年間、児童相談所や相談支援、精神科などで仕事をしてきました。
その中で、本当にたくさんの社会福祉士と出会ってきました。
その経験からお伝えすると、
社会福祉士の性格を一言で表すことは、とても難しい
というのが正直な答えです。
今回は、現場で感じてきた「社会福祉士の性格」と、「私が思う向いている人」について、独断と偏見も交えながらお話ししたいと思います。
社会福祉士に多い性格とは?私が感じるリアル
結論から言えば、 「こんな性格の人が多い」と断言できるほどの共通点はありません。
外交的な人もいます。
内向的な人もいます。
人と話すことが大好きな人もいれば、人と関わると気を使って疲れてしまう人もいます。
コミュニケーション能力が高い人もいれば、むしろ静かに相手の話を聞くことが得意な人もいます。
だから、
「社会福祉士だから明るく社交的」
そんなイメージは、現場ではあまり当てはまらないと感じています。
「人のため」だけで資格を取った人ばかりではない
よく、「誰かの役に立ちたい人が、社会福祉士になる」と言われます。
もちろん、その思いを持っている人は多いです。
ただ、それだけではありません。例えば、
- 知識を身につけたい
- 専門職として成長したい
- 仕事の幅を広げたい
- 資格手当や転職のため
そんな理由で社会福祉士を取得した人も少なくありません。
だから、「奉仕の心だけ」で語れる資格でもないと思っています。
ただ、人への関心は持っている人が多い
一方で、共通点があるとすれば、 「人そのものへの関心」 ではないでしょうか。
福祉職は制度を扱う仕事でもあります。
でも、本当に向き合っているのは制度ではありません。
人です。
人がなぜ苦しむのか。
どうしてそうした行動になるのか。
何を大切にして生きているのか。
そうしたことに関心を持っている(持つようになる)人は多いように感じます。
また、人とのつながりの中で、自分自身の価値や居場所を見つけようとしている人もいるように思います。
これは悪い意味ではありません。
対人支援職そのものが、そうした欲求と重なりやすい面があるのだと思います。
お金第一の人は少ないと思う
もう一つ感じるのは、 お金を最優先に考える人は少ない ということです。
もちろん生活は大切です。収入も大切です。
ですが、 「とにかく稼ぎたい」 という価値観だけであれば、社会福祉士という資格を選ぶ人は少ないでしょう。
社会福祉士は安定した仕事ではあります。
平均的な生活は十分目指せます。
一方で、年収1,000万円以上を目指すような資格ではありません。
だからこそ、お金だけでは続けられない仕事でもあります。
社会福祉士に向いている性格とは?
これも、一言では言えません。
「外交的な人が向いている。」
「コミュニケーション能力が高い人が向いている。」
そんな記事を見かけることもあります。
でも、私は少し違うと思っています。
相談者にも、いろいろな人がいます。
ある社会福祉士とは相性が良くても、別の社会福祉士とは話しにくい。
これは現場では、ごく普通に起こることです。
だから、 「この性格だから向いている」 とは、あまり言えない仕事だと思っています。
もちろん、専門職として関係を築く技術は身につけていく必要があります。
しかし、それでも得意・不得意はあります。
だから、自分の性格を否定する必要はないと思っています。
いろんな性格の社会福祉士がいるから、現場は成り立つ。
それが真実だと思っています。
私が思う、本当に大切な資質は「想像力」と「倫理観」
では、私が「こういう社会福祉士であってほしい」と思うのは、どんな人か。
それは、想像力があり、倫理観を持っている人です。
これは性格というより、人として大切にしてほしい姿勢なのかもしれません。
私はこれまで、知識も経験も豊富な社会福祉士さんをたくさん見てきました。
一方で、
「この人は、本当に相手を一人の人として見ているのだろうか?」
そう感じてしまう場面もありました。
知識があること。技術があること。もちろん大切です。
でも、それだけでは、社会福祉士は十分ではありません。
相手がどんな人でも、最後まで「人」として向き合う
例えば、私は児童相談所で虐待対応をすることがあります。
虐待をした親と向き合うこともあります。
怒りや悲しみを感じることもあります。
「なぜこんなことをしたのか。」と、思うこともあります。
でも、それでも相手は人です。
だからこそ、人としての尊厳まで失っていいわけではありません。
虐待という行為は否定しなければいけません。
しかし、人そのものまで否定してしまうと、支援はうまくいきません。
これはとても難しいことですし、私自身も、感情に時に飲み込まれそうになります。
それでも、人に対する敬意を保つ。その一線だけは持ち続けたいと思っています。
知識や技術は、使い方を間違えることがある
私は、知識や技術は「道具」だと思っています。
道具は便利です。
でも、使い方を間違えれば、人を傷つけることもあります。
例えば、はさみ。
紙を切るためにも使えます。
髪を切るためにも使えます。
でも、人に向ければ凶器になります。
知識も同じです。
面接技法も同じです。
制度の知識も同じです。
持っているだけでは価値はありません。そこに善も悪もありません。
だからこそ、悪用すれば、人の人生を狂わせます。
どういう目的で使うのか。
そこが一番大切です。
方向を決めるのは倫理観
知識や経験は力になります。
でも、その力をどちらへ向けるのか。
それを決めるのは倫理観です。
クライエントの利益のために使うのか。
それとも、自分の都合や組織の都合のために使うのか。
同じ知識でも、結果は大きく変わります。
私はよく、「知識より倫理」と言っています。
もちろん知識は必要です。技術も必要です。
でも、それ以上に、何を大切にして支援するのか。
その軸がなければ、良い支援にはならないと思っています。
私は「ベテランだけれど倫理観のない人」より、「新人だけれど倫理観のある人」を信頼したい
少し極端な言い方かもしれません。それでも私は、
ベテランだけれど倫理観のない社会福祉士より、新人だけれど倫理観のある社会福祉士の方が好きです。
知識はあとから学べます。
経験も積み重ねられます。
失敗もしながら成長できます。
でも、 相手を一人の人として尊重する姿勢。
クライエントの利益を第一に考えようとする姿勢。
ここが失われてしまうと、あるいは備わっていない人は、どれだけ経験を積んでも危うさが残るように思います。
そして同時に、倫理観は知識のように後から簡単に身につくものではありません。
人を育てる立場になって感じるのは、大人になったヒトの倫理観を育むことの難しさです。
まとめ|社会福祉士に向いているのは「特定の性格」ではない
社会福祉士に向いている性格は何か。
そう聞かれると、私は今でも一言では答えられません。
外交的でもいい。 内向的でもいい。
話すのが得意でも、聞くのが得意でもいい。
大切なのは、
- 人への想像力を持つこと
- 相手を一人の人として尊重すること
- クライエントの利益を第一に考えようとすること
そうした姿勢ではないかと思います。
もし今、「自分の性格では社会福祉士に向いていないかもしれない。」と悩んでいる方がいるなら、
私は あまり心配しなくてもいい と思っています。
新人だからこそ持っている感性があります。
経験が少ないからこそ、素直に学べる強みがあります。
その感性や倫理観は、現場で働くうえで、とても大きな力になります。
だから、自分の性格だけを理由に、社会福祉士を諦める必要はありません。
頑張ってくださいね。
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