
病院って安定してそうだし、医療ソーシャルワーカーになりたいな〜。給料も高そうだし。
そのイメージ、半分は正解です。
でも、半分は現実と違います。
私は精神科クリニックで医療ソーシャルワーカーとして働いた経験があります。
ハッキリいいます。
医療ソーシャルワーカーには、他の福祉職にはない”固有のきつさ”があります。
この記事では、3つに絞ってお伝えします。
この記事でわかること
- 医療ソーシャルワーカーがきつい3つの理由(体験談あり)
- 「合わないかも」と感じたときの考え方
- 転職を考える前に知っておくこと

きつい理由① 医師の「ひと言」がすべてを動かす
医療の世界では、医師の権力が絶対です。
私が働いていた精神科クリニックでは、医師のオーダーがすべてでした。
「○○さんは今日来なくていい」
「あの支援はやめよう」
――そう言われたら、それで終わりです。
ソーシャルワーカーの意見が入る余地は、最初から限られていた。
カルテは(汚くて)誰も読めない字。
スタッフが「先生の字は象形文字ですね」と苦笑いするしかない現場でした。
指摘しても改善されない。読む努力をするのは、常に私たちの側。
医師は重い責任を背負っています。プレッシャーのなかで必死に判断されているのはわかります。
でも、「自分だけが正しい」というワンマンな空気の中で毎日働くのは、精神的に消耗します。
医療ソーシャルワーカーと医師の関係は「指示」ではなく「指導」とされています。
▶関連記事:精神保健福祉士と医師との関係は指示?指導?【法的な根拠も解説!】
しかし実態は「指示」に近い圧力がある
――これが多くの現場のリアル。
語弊を恐れずに言えば、下請けです。
もちろん、尊敬できる医師もいました。
スタッフの意見に耳を傾け、チーム全体で患者さんを支えようとする先生。
そうした方と働けたときは、本当にやりがいを感じました。
でも、そんな医師ばかりではない。
それが現実です。
きつい理由② 「本人の意思を尊重したい」と「リスクを管理したい」がぶつかる
社会福祉士・精神保健福祉士は、生活モデルで支援します。
本人の希望や可能性を中心に置く。
でも、医療は医学モデルで動く世界です。
症状の管理とリスクの排除が優先される。
この違いが、思っている以上に深い葛藤を生みます。
「外出したい」という患者さんの希望が、「転倒リスクがある」で却下される。
「今日は休みたい」という気持ちがあっても、「服薬を守らせないといけないから来させろ」と促される。
悪いとは言い切れません。
安全や命が守られる場面は確かにある。
でも、「本人を信じたい」という思いが、組織の論理に押し潰される瞬間が積み重なっていく。
「いったい、誰のために働いているのか」
「これが、支援と呼べるのか」
私はその問いに、何度もぶつかりました。
正直に言えば、「自分たちが責められたくない」「何かあれば自分たちの責任だ」というリスク管理が、支援を動かしていることもある。
それが苦しかった。
【私の体験談】それでも、言わずにはいられなかった
医療の現場では、医師や看護師の意見が強く通ります。
だからこそ、異なる視点を持つ人間がチームにいることに意味がある。
「本人の生活を支える」という社会福祉士や精神保健福祉士の視点がなければ、
医療はどうしても、病気だけを見る支援になってしまいます。
従うだけの存在になると、医療ソーシャルワーカーは“看護師より安い職種”として扱われてしまう。
私は繰り返し意見を主張しました。若さも相まって繰り返し衝突もしましたが、それでも言わずにはいられなかったのです。
▶関連記事:【正直きつかった】精神保健福祉士2年目で「向いていない」と挫折した話
きつい理由③ 給料・昇給は、イメージほど良くない
「医療機関=安定=好待遇」
――そう思っている方へ。
私のケース(精神科クリニック勤務当時)を正直に書きます。
- 手取り:約20万円
- 賞与 :年2か月
- 年収 :約300万円
- 昇給 :年1回、0〜2,000円
仮に10年働いても、最大で2万円しか上がらない計算です。
その後、地域の事業所に転職したら、年収は約50万円アップしました。
安定感は減りましたが、「生活できている」という実感は増えました。
全国の統計を見ても、医療ソーシャルワーカーの平均年収は社会福祉士全体の平均とほぼ同じです。
特別に恵まれているわけじゃないんです。
年収が高い職場を知りたい方へ
医療ソーシャルワーカーが「きつい」と感じても、それは悪いことじゃない

ここまできつい話ばかりしてきました。
でも、医療ソーシャルワーカーという仕事が嫌いになったわけじゃない。
あの現場でしか得られないものが、確かにありました。
医療の論理を内側から知っている。
だから今、連携の場で「相手が何を必要としているか」が読みやすい。
▶関連記事:児童福祉司と医療ソーシャルワーカー(MSW)の連携と立場の違い|現場から見えたリアル
もし「医療ソーシャルワーカーが合わないかも」と感じているなら、それは医療との相性かもしれません。
あなたが弱いのではない。
あなたが、社会福祉士や精神保健福祉士に向いていないのでもない。
どうか、医療ソーシャルワーカーの現場がきついからと言って、福祉の仕事まで諦めないでください。
どんなに志があっても、合わない職場では力は出せません。
私も転職しましたし、後悔はありません。
地域や行政で働いてみると、また違った展望が見えてきます。
ほかの現場を知ることが、キャリアの第一歩になることがあります。
転職・求人情報を見てみたい方へ
がんばってくださいね。
あなたのキャリアを、応援しています。
それではまた!


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