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ソーシャルワーク

社会福祉士・精神保健福祉士として働く人のロードマップ|働き続けるために大切な7つのこと

社会福祉士・精神保健福祉士として働く人のロードマップ|働き続けるために大切な7つのこと
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資格を取っても、まだこれから。

現場に立ってからが、ソーシャルワーカーとしてのスタートです。

とはいえ、最初に断っておきたいことがあります。

私は、現場で十数年ほど働いてきましたが
実務経験が長くなれば、それだけで知識や技術、倫理観が自動的に高まるわけではありません。

だから、私がすごいという話ではありません。

人としての魅力や得意なことは、私よりもあなたの方が持っていることもあるはずです。

むしろ、私は長く福祉業界にいるからこそ、世間の感覚から外れてしまっている部分もあるかもしれません。

経験の浅い方の方が、福祉に染まりきらない。

一般的なバランス感覚を持っていることもあります。

それでも、社会福祉士、精神保健福祉士、ソーシャルワーカーとして働き続けていく中で、私の経験や失敗、考えてきたことが、少しは役に立つかもしれません。

そこでこの記事では、これから現場で働くあなたに役立ちそうな記事を、ロードマップとしてまとめました。

まだまだ道半ばの私ではあります。

ただ、少し先を歩いてきた者として、模倣しやすいもの、手の届きやすいノウハウは提供できると思っています。

この記事は、立派なソーシャルワーカーになるための正解集ではありません。

むしろ、現場で迷いながらも、働き続けるためのロードマップです。

新人の方にも、少し働いてしんどさが見えてきた方にも、一度立ち止まって自分の働き方を整理したい方にも、何か一つでも持ち帰れるものがあればうれしいです。

筆者:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働く現役ソーシャルワーカー。児童相談所などで十数年の実務経験あり。
社会福祉士・精神保健福祉士の働くロードマップ

この記事のロードマップ

  • STEP1 まずは等身大で働き始める
  • STEP2 ケースワークの基礎を身につける
  • STEP3 「見立てる力」を育てる
  • STEP4 自己覚知を学ぶ
  • STEP5 他職種と連携する
  • STEP6 働き続ける技術を身につける
  • STEP7 学び続けるソーシャルワーカーになる
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この記事を書いた人
  1. STEP1 まずは等身大で働き始める
    1. 最初はできなくて当たり前
    2. 資格がすぐに役に立つとは限らない
    3. 「自分が関わればうまくいく」は、幻想だった
    4. 「向いていない」という感情は、なかなか消えない
    5. 失敗との付き合い方を覚える
    6. まずは、等身大でいい
  2. STEP2 ケースワークの基礎を身につける
    1. ケースワークには目的地がある
    2. 安易な代行はしない
    3. 面接は、始まる前から始まっている
    4. 服装も、ケースワークの一部
    5. 難しい相手とも関わることになる
    6. 調整役は、伝書鳩ではない
    7. ケースワークは、正解を当てる仕事ではない
  3. STEP3 「見立てる力」を育てる
    1. 見立ては、事実そのものではない
    2. まずは「事実」を知る
    3. 見立てるには知識が必要
    4. 「自分が見えていない人」をどう見立てるか
    5. 仮説は持つ。でも決めつけない
  4. STEP4 自己覚知を学ぶ
    1. 自己覚知は、自分の加害性に気づくことでもある
    2. 「嫌い」と思う相手がいても自然
    3. 事例検討の裏テーマは、自己覚知でもある
    4. 自己覚知は、きれいな言葉では終わらない
  5. STEP5 他職種と連携する
    1. 「顔の見える関係」は、やはり大切
    2. それでも、連携は簡単ではない
    3. 職場の人間関係も、連携の一部
    4. 「誰がやるのか」問題はよく起きる
    5. ケース会議は、連携の技術が出る場面
    6. 折り合いがつかない時もある
    7. 連携は、きれいごとではない
  6. STEP6 働き続ける技術を身につける
    1. 弱音を吐ける人の方が強い
    2. 私は、いつか自分が病むのではないかと思ってきた
    3. 8割で走る
    4. 「人ごと」と思うことも、時には必要
    5. 職場の人間関係は、思っている以上に大きい
    6. 孤立していた私が、仲間を得た話
    7. 働き続けるのは、技術
  7. STEP7 学び続けるソーシャルワーカーになる
    1. 資格を増やせば専門性が深まるわけではない
    2. 生成AIの存在も、避けて通れない
    3. AIは話を覚える。だからこそ、人の支援も問われる
    4. 職能団体や研修も、学びの場になる
    5. 偽ベテランにならないために
    6. 一人で学ばない
  8. まとめ 社会福祉士・精神保健福祉士として働き続けるために

STEP1 まずは等身大で働き始める

まず、働き始めるあなたへ伝えたいことがあります。

「新人でも大丈夫」

「きっとすぐ成長できます」

そんなふうに、カンタンには言えません。

自信を失うこともあるでしょうし、「自分は向いていないのではないか」と思うこともあるかもしれません。

私自身がそうでした。

だからこそ、まずは等身大で働き始めることが大切だと思っています。

いきなり活躍しようとしなくていい。

立派な支援者になろうとしなくていい。

クライエントにも職場にも、謙虚にのぞみたい。

知識や技術も大切ですが、その前に、人としてどう関わるかが問われる仕事でもあります。

新人ソーシャルワーカーの方に伝えたいことは、こちらの記事でも5つに絞って書いています。

新人社会福祉士・精神保健福祉士の方へ|働き続けるための5つの指南
社会福祉士や精神保健福祉士として働く前に知っておきたい5つの現実。年収のリアル、やりがい搾取、メンタル不調、仕事の意味、適性の悩みまで。壁にぶつかる前に読んでほしい本音の指南。

最初はできなくて当たり前

社会福祉士も、精神保健福祉士も、ソーシャルワーカーも、働き始めてすぐに活躍できる仕事ではないですね。

いきなり目立つ。

いきなり評価される。

いきなり利用者さんの力になる。

残念ながら、そういうものではないと思います。

むしろ、出鼻をくじかれることの方が多いかもしれません。

でも、それでいいのです。

自然なことです。

先輩からアドバイスをもらっても、いまいちピンとこないこともあると思います。

「何を言っているんだ」

「意味が分からない」

そう感じることもあるかもしれません。

それも当然です。

理屈としては、なんとなく分かる。

でも、腑に落ちない。

そうした経験も貴重です。

そのギモンや抵抗感は、大切かもしれません。

福祉の理論や価値は、現場経験と結びついて、少しずつ意味が腹に落ちます。

だから、今分からなくても、焦らなくて大丈夫です。

月日がたってから、

「あの頃、先輩が言っていたのはこういうことだったか」

と分かることがあります。

そして、「やはり的外れなことを言われていたんだな」「自分は間違っていなかった」と気づく時もあります。

だから、あなたの違和感は、記録しておく価値があるのです。

先輩や上司が、いつも正しいとは限りません。

現場の組織都合や、その人自身の都合を言っている場合もあります。

経験と理論の関係については、こちらの記事でも書いています。

経験なくして理論は活きない──新人ソーシャルワーカーが“腑に落ちる”瞬間の話
社会福祉士や精神保健福祉士の成長には、理論と経験の両輪が欠かせません。新人時代に理論がわからない理由、失敗から理論が腑に落ちる瞬間を、現役の筆者が解説。理論と経験の関係、失敗の意味を知りたいソーシャルワーカーの方へ。

資格がすぐに役に立つとは限らない

働き始めると、こう思うことがあるかもしれません。

社会福祉士の資格って、実際に何の役に立つんだろう。

精神保健福祉士を取ったのに、現場では全然うまくいかない。

せっかく勉強したのに、何もできないと感じるかもしれません。

私は、資格が現場ですぐに役立っているとは感じませんでした。

というより、資格を取ったことなんて忘れるくらい、日々の支援に苦戦していました。

でも、学んだ知識は、現場経験とつながって、あとから効いてくることがあります。

ケースに出会い、面接し、記録を書き、関係機関とやり取りする中で、少しずつつながっていく。

だから、すぐに結論を出さなくていいと思います。

社会福祉士や精神保健福祉士の資格について感じやすい違和感は、こちらの記事でも書いています。

社会福祉士デメリットTOP5【意味ない資格?後悔しないための話】
①【平均年収403万円】国家資格にしては少なめ ②資格手当をもらえない職場=約6割 ③社会福祉士がなくても働ける職場はある ④社会福祉士を取ってもすぐには役に立たない ⑤『何でも屋』なのでやりたくない仕事もしないといけない
精神保健福祉士は役に立たない?不安に感じる方へ【現役PSW解説】
精神保健福祉士になりたいけど、役に立つのかな?この記事では、こんなことをお話しします。この記事の内容 資格を取っても現場で役に立たない理由は何か 精神保健福祉士として自分が役に立っていると感じられない理由は何か 役に立つ精神保健福祉士になる...

「自分が関わればうまくいく」は、幻想だった

新人の頃の私は、どこかでこう思っていました。

自分が関われば、うまくいくはず。

自分なら、変えられるはず。

今思えば、根拠のない自信でした。恥ずかしいくらいに。

でも当時は、本当にそう思っていたのです。

そして、現場でその自信はくじかれました。

思うようにいかない。伝わらない。関係が作れない。支援が進まない。

自分の関わりで何かが良くなるどころか、むしろ悪くなったように感じることもありました。

私は現場で、挫折感を味わいました。

大きく壁にぶつかったのは、2年目の頃です。

もちろん、1年目からひどい有様ではありました。

ただ、問題としてどうにもならなくなったのが2年目だった、という感じです。

その時の体験はこちらに書いています。

【正直きつかった】精神保健福祉士2年目で「向いていない」と挫折した話
精神保健福祉士としてのデイケア担当時の失敗と無力感、服薬支援の空回り、入院判断の重さ――「精神保健福祉士に向いていない」と感じた瞬間を描いた実録ベースの再構成記事。支援の本質を見直し、他者ではなく自分を変える姿勢へ。私の気づきを共有する記事です。

だから、あなたがうまくいかないと感じていても、それで順調ですと言いたい。

「向いていない」という感情は、なかなか消えない

失敗や挫折があると、

僕はこの仕事に向いていないんじゃないかな

と思うかもしれません。

私はそうでした。

しかも厄介なのは、この「向いていない」という感情は、なかなか消えないことです。

一度考え始めると、何かあるたびに戻ってくる。

私はさんざん悩んできました。

そして、あろうことか、今でも時に顔を出す感情です。

現場でこんなことを言ったら驚かれますが、

十数年働いても、完全には消えていないのです。

だから、もしあなたが今「向いていない」と感じているとしても、自然なことだと思います。

そして、向いていないと感じることと、本当に向いていないことは同じではありません。

では、その感情とどう付き合えばいいのか。

私がどう向き合ってきたのかは、こちらの記事で書いています。

社会福祉士・精神保健福祉士に向いていないと感じたら読む記事|現場10年の私が思うこと
社会福祉士・精神保健福祉士として働く中で、「自分は向いていないのでは」と感じたことはありませんか。この記事は、私が現場で悩み続けた頃に書いた文章を校正し、公開したものです。当時の迷いと、それでも続けてきた理由を正直に綴りました。今のあなたの心に届く言葉があるかもしれません。
『ソーシャルワーカーに向いてない』と悩んでいるあなたへ【本気のアドバイス5つ】
ソーシャルワーカーに向いていないと悩む人への本気記事。自分の成長や特性に気づく方法を紹介。自分と他人を比べず、昔の自分と今の自分を細分化して比較すると成長に気づける。育ちや愛着関係、発達特性などを勉強すると、自分の苦しみや悩みのルーツに気づき、対策できる。

失敗との付き合い方を覚える

今でも私は、手痛い失敗をすると、自信が揺らぐことがあります。

経験十数年になっても、失敗はやはりつらいです。

自分だけの失敗なら、まだいい。

でも、対人支援ではそうもいきません。

利用者さんに不利益を与えてしまったのではないかと感じることもあります。

そうなると、自分を責めます。

情けなくもなりますし、後悔も残ります。

ただ、失敗をなくそうとすると、極端な話、何もしないのが一番ということになってしまいます。

それって、本末転倒ですよね。

当たり前ですが、行動し、対応し、チャレンジすれば、失敗も増えます。

行動には失敗がつきものです。

よく言われる言葉ですが、真実でしょう。

つまり、失敗はあなたが現場で向き合っている証でもあります。

あなたがチャレンジした分、失敗も増えるのです。

だからこそ、大切なのは、失敗しないことではありません。

失敗に、どう向き合うか。

私は、その積み重ねの方が、長く働く上では大切だと感じています。

失敗との付き合い方については、こちらの記事で詳しく書いています。

相談支援でミスをするたび自信が揺らぐ|失敗を繰り返す現役ソーシャルワーカーの対処法
相談支援でミスをしたと思い、自信を失ってしまう――そんなとき私がどう自分と向き合い、回復しているのか。失敗を繰り返しながら続けてきた、正直な対処法をまとめました。

まずは、等身大でいい

最初から、できるソーシャルワーカーを目指さなくていいと思います。

ここ数年は「しごでき」という言葉も使われますが、そんな専門職を目指さなくていいです。

まずは、等身大で働き始めること。

スタンスとしては、

  1. できないことを知る
  2. 分からないことを認める
  3. 失敗したら、振り返る
  4. つらくなったら、誰かに話す

これができたら、十分です。

社会福祉士、精神保健福祉士、ソーシャルワーカーとして働く道は、短距離走ではありません。

むしろ、長距離マラソンに近い。

全力で走れば、すぐに倒れ、

無理な走りは、いずれ露呈する。

だからまずは、等身大で始めよう。

20代の頃の私に言ってやりたいですが、きっと聞く耳をもたなかったでしょうね。

だからせめて、あなたには申し上げておきたい。

背伸びしなくていいと思います。

ぼちぼちいきましょう。

STEP2 ケースワークの基礎を身につける

次に、ケースワークです。

社会福祉士、精神保健福祉士、ソーシャルワーカーとして働くなら、避けて通れないところだと思います。

ただ、最初に言っておくと、私にケースワークそのものを語り尽くせるほどのノウハウや語彙力があるとは感じていません。

ケースワークとは何か。

そうした大きな言葉を、短くきれいに説明できるほど、私はまだ整理しきれていません。

なので、ひとまずこの記事では、
私たちソーシャルワーカーが行う個別の支援が、ケースワークなのだ
という解釈で書いています。

十数年現場で働く中で、ケースワークについて意識していることはたくさんあります。

この章では、その一部を整理しておきます。

ケースワークには目的地がある

まず、ケースワークには目的地がある。

私はそう考えています。

その目的地は、相手が抱いているものかもしれません。

一緒に話し合って共有できたものかもしれません。

こちらが専門職として「こうなってほしいな」「こうなったらいいな」と考える目的地かもしれません。

いろいろあります。

ただ、目的地のない支援は、道に迷います。

どこに向かっているのかが分からなくなるからです。

すると、

  • 今、何をすればいいのか
  • どこまで関わればいいのか
  • 何を優先すればいいのか

こうしたことが見えにくくなります。

先輩や上司からの指示がなければ動けない、ということにもなりやすい。

クライエントの発言一つにも、「どうしたらいいんだろう」と戸惑ってしまう。

つまり、自分で判断しにくくなるのです。

逆に、大きな方向性さえ決まっていれば、目的地から逆算して、次の一手を考えやすくなります。

だから私は、ケースワークではまずゴールを考えたいと思っています。

もちろん、そのゴールは一度決めたら絶対に変えないものではありません。

本人の気持ちが変わることもあります。

状況が変わることもあります。

こちらの見立てが変わることもあります。

それでも、いま自分たちはどこに向かっているのか。

はるか先のゴールでもいいんです。

その目的地すら決めていないと、道は間違いやすくなります。

ケースワークのコツについては、こちらの記事で書いています。

ケースワークに「正解」はない。でも“目的地”を見定めた支援はぶれにくい
ケースワークに正解はありません。けれど“目的地”を見定めれば、支援はぶれにくくなる——。現場で悩み続けてきた社会福祉士が、迷いとの向き合い方を語ります。

安易な代行はしない

ケースワークで意識していることの一つが、安易な代行はしないということです。

  • 代わりにやれば早い
  • 代わりに電話すれば進む
  • 代わりに書類を書けば終わる

そうした場面はあります。

実際、こちらが動いた方が早いことは多いです。

でも、それを毎回してしまうと、本人が主体になりにくい。

経験値も積み上がらず、自立を損なうことがあります。

だから、可能な限り、当事者が主体となって取り組めるように関わる。

これは、自立を目指すということでもあります。

だから、

あなたのおかげで助かりました!

という言葉は、実は怖い言葉でもあります。

もちろん、言われたらうれしいです。

支援者として報われるような気持ちになることもあります。

でも、そこに酔いしれてはいけないと思っています。

なぜなら、その言葉の裏には「私ありきの生活」になっている可能性があるからです。

もちろん、こちらが関わらないとどうにもならない場面はあります。

緊急性が高い時もありますし、代行が必要な時もあります。

だから、「全部を本人にやってもらったらいい」という話ではありません。

でも、ときには「手伝わない」ことが、相手の最善の利益になることもあります。

これは、きれいごとではなく、現場ではかなり難しい判断です。

手を出すことは、支援者の安心にはなるかもしれません。

でも、本人の力を奪うこともあります。

その怖さは持っておきたい。

どれだけ手を出すか。どこまで見守るか。

その加減をどうつけるかが大切です。

バリエーションはたくさんある方がいい。

助け船を出す選択肢は「代行する」という1つではありません。

このあたりの話は、こちらの記事で詳しく書いています。

「利用者さんのために、手伝わない勇気」──ソーシャルワーカーが陥りやすい支援の落とし穴
利用者のために「手伝わない」という選択ができるでしょうか?社会福祉士・精神保健福祉士として現場で感じてきた“支援しすぎ”のリスクと、線引きの考え方を解説します。

面接は、始まる前から始まっている

ケースワークでは、面接技法も大切です。

ただ、面接は、話し始めた時から始まるわけではありません。

私は、面接は始まる前から始まっていると考えています。

面接前から考えること

  • 家庭訪問にするのか
  • 来所してもらうのか
  • どの部屋で話すのか
  • どの席に座るのか
  • 約束をどう取るのか
  • 面接時間をどう伝えるのか
  • 部屋の温度はどうか
  • 周囲の音はどうか

そうした一つひとつが、面接の土台になります。

細かいことに見えるかもしれません。

でも、こういう細かいところにこだわることが、専門職の技でもあると思っています。

安心して話せる場をどう作るか。

話しにくいことを話してもらうには、どんな準備が必要か。

こちらが聞きたいことだけを聞くのではなく、相手が話せる状態をどう整えるか。

そこから面接は始まっています。

家庭訪問と来所面接という選択一つとっても、考えることはたくさんあります。

それはこちらの記事で書いています。

家庭訪問か、来所面接か|ソーシャルワーカーが「場所」で支援を考える理由
家庭訪問か、来所面接か。ソーシャルワーカーが迷いやすい支援手法の違いを、「どこで話すか」という場所の視点から整理。児童相談所や相談支援の現場経験をもとに、家庭訪問と来所面接が関係性や面接内容に与える影響を考えます。

服装も、ケースワークの一部

ケースワークでは、見た目も大切です。

服装も、私はケースワークの一部だと思っています。

別に、おしゃれをしないといけないわけではありません。

高い服を着る必要もありません。

ただ、清潔感は大切です。

相手が不快にならない最大公約数は、狙ってもいいと思います。

こちらがどんな格好をしているかで、相手の受け取り方は変わります。

  • 「この人に話して大丈夫そうか」
  • 「ちゃんとしていそうか」
  • 「威圧的ではないか」
  • 「軽く見られている感じがしないか」

そうしたメッセージは、言葉以外からも伝わります。

新人の頃は、服装に迷うこともあるはずです。

どうせなら、オシャレだってしたいかもしれません。

福祉職は、スーツなのか、オフィスカジュアルなのか、動きやすい服なのか、職場によっても違います。

私の記事は男性向けが中心になっていて、女性には申し訳ないところもあります。

ただ、清潔感や相手に与える印象という意味では、共通するところも多いと思います。

服装についてはこちらで書いています。

社会福祉士・精神保健福祉士の服装|身だしなみが支援に活きる理由
社会福祉士・精神保健福祉士が支援に関わる際、服装や身だしなみは大きな意味を持ちます。外見情報、清潔感などは第一印象や人とのつながりを左右し、アセスメントの手がかりにもなります。本記事では服装・身だしなみの重要性を具体例を交えて考察します。
社会福祉士・精神保健福祉士の男性が服装をオシャレにする大原則3つ
社会福祉士・精神保健福祉士の男性向けに、現場で浮かない“清潔感×オシャレ”の作り方を解説。MB氏の大原則(ドレス/カジュアル7:3・I/A/Y・モノトーン+1色)をTPOに落とし込み、具体コーデと避けたい例も紹介。制服なし職場でも今日から使える。

難しい相手とも関わることになる

ケースワークで留意したいことの一つに、パーソナリティ障害があります。

あるいは、そうした傾向のある人たちとの関わりです。

相談支援をしていると、時に、あるいは頻繁に、パーソナリティ障害の傾向を感じる方と出会います。

これは、ラベルを貼りたいという話ではありません。

「この人はパーソナリティ障害だ」と決めつけたいわけでもありません。

ただ、こうした特徴が見られる方との関わりは、現場ではかなり難しいことがあります。

パーソナリティ障害の傾向として見られること

  1. 感情の揺れが大きい
  2. 関係性が不安定になりやすい
  3. 支援者との距離が近くなりすぎたり、急に攻撃的になったりする

一歩対応を誤ると、たくさんの時間や労力を使うことがあります。

支援者側が巻き込まれることもあります。

チーム全体が疲弊することもあります。

だからこそ、まずは知ることが大切です。

  • パーソナリティ障害とは何なのか
  • どういう傾向があるのか
  • 何に気を付けたほうがいいのか

ここを知らないまま関わると、支援者側も苦しくなります。

こちらは、境界性パーソナリティ障害の彼女がいる人に向けた記事ですが、特徴のイメージをつかむには参考になると思います。

境界性パーソナリティ障害の彼女・恋人との接し方|精神保健福祉士解説
彼女が境界性パーソナリティ障害だった 境界性パーソナリティ障害の彼女と、付き合ったり別れたりを繰り返している 彼女の自傷行為にどう関わったら良いのか? 彼女がもしかしたら境界性パーソナリティ障害かも・・・という方へ。この記事の内容 境界性パ...

そして、相談支援の中で、パーソナリティ障害と思われる方、あるいはその傾向がある方と出会った時にどう関わるか。

機関としての役割によっても違います。

ただ、私が「相談支援」という枠組みの中で意識していることは、こちらの記事に書いています。

相談支援でパーソナリティ障害に巻き込まれない6原則|ソーシャルワーカー実践録
ソーシャルワーカーがパーソナリティ障害の可能性を含む相談に巻き込まれないための6原則を、実践例とともに解説。主体を奪わず、境界線を守りながら支援を続けるための基本姿勢と具体的なコツをまとめています。

どの現場で働いていても、基本を押さえておけば、応用しやすくなります。

調整役は、伝書鳩ではない

ケースワークでは、人と人の関係性を調整する仕事が多いです。

  • 本人と家族
  • 本人と学校
  • 本人と医療機関
  • 家族と施設
  • 支援者同士

いろいろな間に入ることがあります。

その時、ただの伝書鳩になってはいけないと思っています。

私は社会人1年目の時、

ただの伝書鳩になっているぞ

と、何度か叱られました。

これは、「自分の考えや判断が何もないじゃないか」という意味でもありました。

相手が言ったことを、そのまま別の相手に伝えるだけ。

それなら、私がいる意味は何なのか、という話になります。

調整ではなく、ただの伝言になってしまいます。

私は、この調整という仕事には、情報の取捨選択が含まれると思っています。

調整の意味

  • 内容を整理すること
  • 伝え方を工夫すること
  • 時に、言葉の強さを調整すること

震度8の言葉を、そのまま震度8で伝えるのではなく、震度3くらいにして届けること。

それだけ聞くと、問題があるように感じる人もいるかもしれません。

「加工していいのか」

「不誠実ではないのか」

「嘘をついたらいいのか」

そう感じるかもしれません。

もちろん、事実をねじ曲げてはいけません。

嘘をついてはいけません。

でも、人と人の間に入るということは、誠実性と方便を使い分けるスキルも必要だと、私は考えるようになりました。

その言葉をそのまま伝えたら、関係が壊れる。

でも、伝えなければいけない内容はある。

そういう場面が現場にはあります。

だから、

  • どう伝えるか
  • 何を伝えるか
  • いつ伝えるか
  • 何を今は伝えないか

を考える必要があります。

そのあり方に、ソーシャルワーカーの専門性や技術、倫理観が問われると思っています。

「誠実性と方便を使い分けること」については、こちらの記事で書いています。

社会福祉士・精神保健福祉士に必要なコミュニケーション能力|誠実さと方便を両立させる
社会福祉士・精神保健福祉士に必要なコミュニケーション能力を解説。誠実さと方便をどう両立させるか? 現場の調整・翻訳・クッションとして働くための実務的な視点を、経験をもとに紹介します。

ケースワークは、正解を当てる仕事ではない

ケースワークは、正解を当てる仕事ではないです。

こちらが良いと思ったことが、相手にとって良いとは限りません。

反対に、こちらが不安に思う選択を、本人が望むこともあります。

だから、ケースワークでは迷いますし、悩んで当然です。

でも、何も決断しないわけにはいきません。

  • 目的地を考える
  • 代行しすぎない
  • 面接の準備をする
  • 自分の見た目にも気を配る
  • 難しい相手との関わり方を学ぶ
  • 調整役として、言葉の運び方を考える

そうした一つひとつの積み重ねが、ケースワークの基礎になっていくのだと思います。

私も、まだまだ道半ばです。

それでも、現場で意識してきたことを言葉にすると、こういうことになるのかなと思います。

STEP3 「見立てる力」を育てる

ケースワークを続けていくうえで、避けて通れないのが見立てる力です。

言い換えると、アセスメントです。

  • 仮説を立てる
  • 根拠を考える
  • 思い込みを避ける

このあたりは、ソーシャルワーカーとして働くうえで、とても大切な力になります。

私は社会人3〜5年目ぐらいのころ、上司から

あなたの見立ては?どうするの?

とよく問われ、答えに窮していました。

「見立てって言われても……」

「どうしたらいいか、正解が知りたい」

そう思っていました。

今では自然と考えるようになりましたが、当時は本当に意味が分からないというか、そもそもそんな思考がありませんでした。

だから、新人の方が見立てを持てないのは当たり前です。

ただ、今から準備できることもあります。

ここでは、そのあたりを整理していきます。

見立ては、事実そのものではない

まず、見立ては人によって違います。

同じケースを見ても、先輩と自分で見立てが違うことがあります。

他職種と意見が分かれることもあります。

それは自然なことです。

見立てとは、あくまで事実そのものではありません。

専門性をもとにした、ひとつの仮説です。

想像も含まれます。

間違うこともあります。

だからこそ、私は、人の見立てをそのまま信じ続けることはおすすめしません。

もちろん、先輩や他職種の意見を聞くことは大切です。

特に「新人」と呼ばれる間は、まずは言われたことを守る、信じてやってみる。

その姿勢も必要だと思います。

人間関係を良好に保つ意味でも、あなた自身が成長する意味でも、最初から全部を疑ってかかる必要はありません。

ただ、その見立てを自分でも納得できるか。

情報を得て、積み上げて、自分なりに成り立たせることが大切です。

人の見立てを丸のみしているだけでは、見立てる力は育たないと思います。

詳しくはこちらの記事で書いています。

他人の見立てに乗らない|社会福祉士が大切にしている支援の考え方
ソーシャルワーカーの見立てはなぜズレるのか。社会福祉士・精神保健福祉士として現場で感じてきた経験をもとに、事実と推測の違い、一次情報の重要性、支援の精度を高める考え方を解説します。

まずは「事実」を知る

アセスメントとは、平たく言えば、ケースについて見立てを持つことです。

  • 何が今の困りごとになっているのか
  • 何が主訴なのか
  • どんな背景があるのか

そうした現状を整理していきます。

そのときに大切なのは、まず事実を知ることです。

  • 伝聞だけで判断しない
  • できるだけ一次情報に近づく
  • できるなら、直接会って話を聞く

これは、虐待対応などではさらに重要になります。

実際、当事者に会って話を聞いたら、事前に聞いていた話と違うということは、現場ではよくあります。

だからこそ、情報は集め方が大切です。

事実を知ることについては、こちらの記事で詳しく書いています。

ソーシャルワーカーのアセスメント精度は“一次情報”で決まる──事実から始める支援
ソーシャルワーカーのアセスメントに欠かせないのは、一次情報──つまり「自分の目と耳で確かめること」。家族や関係機関の伝聞だけでは、アセスメントの精度は保てない。現場経験をもとに、事実を積み上げる姿勢と実践のヒントを語ります。

見立てるには知識が必要

見立てをするには、知識が欠かせません。

特に、病気や障害についての理解は大切です。

そして、そこから人間心理や人間そのものへの理解を深めていくのだと思います。

私は、精神科医の岡田尊司さんの本から多くを学びました。

病気や障害理解の基礎を本で学び、それを現場の経験と結びつけてきた感覚があります。

もちろん、本を読めばすぐにアセスメントができるわけではありません。

でも、知識がなければ見えないものがあります。

「あれはこういう背景があるのかもしれない」

「この反応には、こういう理由があるのかもしれない」

そう考えるための土台になります。

私が本当に役立ったと感じた本は、こちらの記事で紹介しています。

ソーシャルワーカーとして、生きる人として。私を支えた本24冊─社会福祉士・精神保健福祉士の読書録
福祉の専門書ではなく、現場で「本当に力になった」24冊を紹介。支援に迷ったとき、心が折れそうなとき、ページを開けばまた立ち上がれる。社会福祉士・精神保健福祉士として、そして一人の人として、私を支えてくれた本たちをまとめました。

アセスメントに直結しない本も含まれていますが、岡田先生の本は特に参考になると思います。

必要なところだけでも拾い読みしてみてください。

「自分が見えていない人」をどう見立てるか

例えば、「この人、自分が見えていないのではないか」と感じることはありませんか。

人のことはよく見えているように話す。

でも、自分のことになると見えにくくなる。

「自分を棚に上げている」

そう感じる相手です。

こうした理由を考えるのも、見立てを持つ営みです。

  • なぜ、その人は自分の状況を見られないのか
  • なぜ、周囲とのズレに気づきにくいのか
  • なぜ、同じことを繰り返してしまうのか

もちろん、決めつけたいわけではありません。

ただ、「なぜそうなるのか」を考えることは、支援の方向性を考えるうえで大切です。

一つの例として、私なりの見立てはこちらの記事でお話ししています。

自分が見えていない人の特徴|発達障害や精神疾患との関係をソーシャルワーカーが解説
自分が見えていない人の特徴を、現場経験にもとづき解説。発達障害・知的障害・精神の病気や心理的防衛との関係、支援者の関わり方まで実践的にまとめます。

仮説は持つ。でも決めつけない

見立てでは、仮説を持つことが大切です。

仮説がなければ、次に何を確認すればいいのか分からなくなります。

でも、仮説はあくまで仮説です。

正解ではありません。

新しい情報が出てきたら、修正する必要があります。

間違っていたら、考え直す必要があります。

私は、仮説は持つ。でも決めつけない。

この姿勢が大切だと思っています。

見立てる力は、経験年数だけで勝手に育つものではありません。

見立てる力を伸ばすには

  • 事実を調べる
  • 知識を得る
  • 人の見立てを聞く
  • 自分でも考える
  • 実際と照らし合わせる
  • 都度、見立てを修正する

その積み重ねで、少しずつ育っていくものだと思います。

STEP4 自己覚知を学ぶ

社会福祉士、精神保健福祉士、ソーシャルワーカーとして働くなら、自己覚知は避けて通れません。

自己覚知は、新人の間だけ学べば終わりというものではありません。

ずっと取り組み続けるものです。

私自身、今でも日々、自己覚知をしながら取り組んでいます。

だから、自己覚知の習慣は、新人のうちに身につけておいた方がいい。

10年、20年と働いたあとでは、振り返る自分の歴史が長くなりすぎて、直視しにくくなるからです。

今までの自分がやってきたことは、間違いだったかもしれない…

そう薄々気づいても、「今まで」が10年も20年もあったなら、自分に言い訳したくなります。

「仕方なかったんだ…」

「私は悪くない…」

そう思いたくなることもあるでしょう。

そして、誰かの責任にしたくなる。

自分を見つめたくなくなる。

そうやって、自分を直視することを避け、自己覚知から離れていくことがあるのだと思います。

私は、そうした人たちも見てきました。

だから、自分の考えや価値観、スタイルが固まってから見直すのは、かなり難しいです。

「今更、できない」という人も少なくありません。

だからこそ、働き始めて「新人」と呼ばれる間から、少しずつ自分の嫌な面にも向き合っておく。

その方が、長く働くうえでは大切だと思います。

自己覚知については、こちらの記事でも詳しく書いています。

社会福祉士の自己覚知とは?【必要な理由・方法をわかりやすく解説】
自己覚知って何なの?必要な理由がよくわからない。レポートを書かないといけないから、具体例を知りたいなぁ。こういった思いの方へ。この記事の内容 自己覚知とは?必要な理由 自己覚知の方法3つ解説 【具体例】わたしの自己覚知筆者:ぱーぱす(社会福...
自己覚知で対人援助職のスキルアップ!方法と重要性を社会福祉士が解説
対人援助職は自分の価値観や感情や性格を表す色付きメガネをかけている。自分のメガネの色に気づいて、事実をありのまま見ることが大切。自分のメガネの色を知って、自分をコントロールする方法と効果の解説に試みた。
【悲しきリアル】自己覚知≠支援者の幸せ|それでも自己覚知をやめない
自己覚知って自分の嫌なところがわかって、ツラい・・・自己覚知は良い支援をするには必須!だけど、ほんとツラいよね・・・ この記事の対象 福祉現場で実践する人 ソーシャルワーカー自己覚知がより良い支援をするのに大切なのは、「耳にタコができる」く...

自己覚知は、自分の加害性に気づくことでもある

自己覚知というと、

「自分の性格を知ること」

「自分の価値観を知ること」

そう考える人もいるかもしれません。

もちろん、それも大切です。

でも私は、自己覚知にはもう少し痛い部分があると思っています。

それは、自分の加害性に気づくことです。

私たちは支援者です。

でも、ひとたび間違えれば、相手に不利益を与えうる立場でもあります。

だからこそ、次のように問い続ける必要があります。

  • 自分の関わりは、本当に相手のためなのか
  • それとも、自分が安心したいだけなのか
  • 自分が正しいと思いたいだけなのか

私は、聖人君子ではまったくありません。

自分のことが大切です。

時には自分勝手ですし、凡庸な人間です。

そんな自分が、相手の利益のために動こうとするなら、自分に問いを立てる必要があります。

「相手のため」と言いながら、実は自分のための言動をとっていないか。

そこを確認しないと、私は間違えてしまうと思っています。

自分の利益を外す問いについては、こちらの記事で書いています。

その判断は誰のため? ケースワークで自己利益を外す問い――社会福祉士・精神保健福祉士の自己覚知
判断に迷うケースワークの現場で、自己利益や自己保身が判断に影響していないかを点検するための問いを紹介。社会福祉士・精神保健福祉士の自己覚知の実践。

「嫌い」と思う相手がいても自然

利用者さんや関わる相手の中には、

あの利用者さん、苦手だし、嫌い!

そう感じる相手がいるかもしれません。

それで自然です。

人間なので、相性はあります。

合う人もいれば、合わない人もいます。

「支援者なのに嫌いと思ってはいけない」と、自分を責めすぎなくていい。

大切なのは、まず、自分がそう感じていると気づくことです。

自覚できていれば、距離の取り方を考えられます。

チームで共有することもできます。

関わり方を調整することもできます。

でも、自覚できていないと、その感情に操られます。飲み込まれます。

先輩や上司から指摘されても、言い訳したり、否定してしまうかもしれません。

嫌いと思うこと自体が問題なのではありません。

嫌いと思っている自分に気づかないまま関わることが、問題なのです。

でも、自覚できたならば、すでに一歩進んでいると言えます。

すべては、自覚から始まります。

このあたりの話はこちらでしています。

福祉現場「利用者が嫌い・苦手」は才能です|理由を社会福祉士が解説
苦手な利用者さんがいる・・・。嫌いって思ってしまうんだけど、だめだよね?明日も会わないといけないし、憂うつだなぁ。こうした悩みのある方へ。 この記事の内容「利用者が嫌い・苦手」と思う人は福祉の仕事に向いていないのか嫌い・苦手という気持ちが、...

事例検討の裏テーマは、自己覚知でもある

社会福祉士、精神保健福祉士、ソーシャルワーカーとして働いていると、事例検討に参加する機会があると思います。

事例検討は、職場内で行うこともありますし、外部研修で行うこともあります。

支援方針や制度利用、関係機関との連携について話し合うことが多いです。

確かに、それも大切です。

でも私は、事例検討には裏テーマとして自己覚知があると思っています。

  • なぜ、その場面で自分はそう判断したのか
  • なぜ、その利用者さんに対して強く反応したのか
  • なぜ、その支援方針にこだわったのか

事例を通して見えてくるのは、ケースだけではありません。

自分自身の癖や価値観も見えてきます。

だから、事例検討はしんどいこともあります。

自分の未熟さや偏りに直面させられることがあるからです。

でも、そのつらさを避けていると、自己覚知は深まりにくい。

だから、つらいですが、事例検討にも価値はあります。

事例検討の効果や取り組み方については、こちらで解説しています。

事例検討は本当に意味があるのか【ソーシャルワーカーが感じた現場の本音】
事例検討は本当に意味があるのか。社会福祉士、精神保健福祉士、ソーシャルワーカーとして事例検討をも経験してきた筆者が、批判の怖さ、心理的負荷、そして「思ったほど得られなかった学び」について正直に語ります。

自己覚知は、きれいな言葉では終わらない

自己覚知は、きれいな言葉で語られやすいテーマです。

でも実際には、けっこう泥くさいものです。

  • 自分の弱さ
  • ずるさ
  • 承認されたい気持ち
  • 相手を動かしたい気持ち
  • 自分が正しいと思いたい気持ち

そういう、認めたくない自分を直視する作業でもあります。

だから、気持ちよくはありません。

でも、ありのままの自分を見ないまま支援を続ける方が、私は怖いです。

支援者も人間です。

完ぺきではないからこそ、自分というものの品質や、薬に例えるなら作用・副作用を知る必要があります。

自分の感情を消す必要はありません。

というか、できません。

ただ、気づいておく。

知っておく。

そのうえで、自分の感じ方に飲み込まれすぎず、どう受け止めるかを選ぶ。

どう関わるかを選ぶ。

その繰り返しが、自己覚知なのだと思っています。

STEP5 他職種と連携する

ソーシャルワーカーの仕事は、一人ではできません。

関わる他職種

  • 医師
  • 教員
  • 保健師
  • ケアマネジャー
  • 行政職員
  • 施設職員
  • 弁護士
  • 警察
  • 地域の支援者

関わる相手は、本当にたくさんいます。

だから、社会福祉士や精神保健福祉士として働くなら、連携する力はとても大切です。

ただ、連携はきれいな言葉で語られやすい一方で、実際にはかなり難しいものでもあります。

「顔の見える関係」は、やはり大切

よく聞く言葉かもしれませんが、私はやはり「顔の見える関係」は大切だと思っています。

電話やメールだけだと、言葉がきつく伝わることがあります。

こちらの意図も、相手にうまく伝わらないことがあります。

逆に、相手の言葉も必要以上に冷たく感じることがあります。

顔が見えると、少し違います。

緊張関係が和らぐことがあります。

対立関係が、少し緩むこともあります。

もちろん、顔を合わせれば何でもうまくいくわけではありません。

でも、支援を進めるうえで、相手の顔を知っていることは大きいです。

それが、結果的により良い支援につながりやすい。

詳しくはこちらの記事で書いています。

顔の見える関係はメリットいっぱい!つくるコツは?|社会福祉士解説
顔の見える関係?どんなメリットがあるの?こうした疑問のある方へ。福祉の仕事では色々な人と一緒に働きます。でも、その人たちと仲良くなれないと、仕事がうまくいかないこともあります。例えば、こんなことがありませんか? 他の機関の人と話すのが嫌だ!...

それでも、連携は簡単ではない

ただし、顔の見える関係があっても、連携は簡単ではありません。

  • 医療機関との連携
  • 学校とのやり取り
  • 警察との調整
  • 関係機関との考え方の違い

現場では、いろいろな葛藤があります。

こちらの事情だけで動くことはできません。

相手には相手の立場があります。

組織の都合もあります。

役割もあります。

守るべきルールもあります。

だからこそ、連携は「仲良くすること」ではありません。

「なあなあ」の関係になると、お互いの自律を損なうことがあります。

その結果、当事者の不利益につながることもあります。

各機関が、ある程度の緊張感を持つこと。

それぞれが自律的に、責任を持って臨むこと。

そのスタンスは大切だと思います。

そうした機関同士の違いを前提にしながら、どう支援するか。

医療ソーシャルワーカーとの連携や、医師との関係で悩みやすいポイントについては、こちらで書いています。

児童福祉司と医療ソーシャルワーカー(MSW)の連携と立場の違い|現場から見えたリアル
児童相談所の児童福祉司として働く筆者が、医療ソーシャルワーカー(MSW)との連携の実際を語ります。医療ネグレクト対応や親の入院時の支援、組織間での使命の違い、緊張関係の乗り越え方など、現場で感じたリアルを丁寧に解説。MSWや医療福祉に関心のある方へ。
精神保健福祉士と医師との関係は指示?指導?【法的な根拠も解説!】
指示か指導かどっちなの?医者の言うことって、絶対に聞かないといけないの? あの医者の視点は、私とは違うところがあるなぁ 医師の言うことをそのままやらないといけないの? 精神保健福祉士としての考えで支援したいこうした精神保健福祉士の方々へ。筆...

職場の人間関係も、連携の一部

これは少し言い方が難しいところですが、職場の人間関係もケースワークの一部です。

男女で分けるのはいかがなものかと思う部分もあります。

それでも、男性として女性が多い職場で働いてきた中で、私自身、人間関係の作り方に悩んだことがあります。

福祉職は、女性が多い職場も少なくありません。

その中で男性がどう立ち回るか。

どう関係をつくるか。

ここで悩む人もいると思います。

私の実感としては、共感をベースに話が進む場面は多いです。

だから、正論だけで進めようとすると、うまくいかないことがあります。

もちろん、性別で単純に分けきれるものではありません。

ただ、職場の空気や会話の流れをつかむことは大切です。

女性が多い職場での人間関係については、こちらの記事で書いています。

【男性福祉職向け】女性職員との人間関係をうまくするコツ【体験談】
職場の人間関係がうまくいかない・・・。女性ばっかりで、孤立するなぁ。こうした悩みのある男性福祉職の方へ。福祉現場では女性が多く、男性は少数派です。 女性の割合介護職員73.3%訪問介護員(ヘルパー)87.8%社会福祉士68.4%精神保健福祉...

「誰がやるのか」問題はよく起きる

多職種、多機関で連携していると、よく出てくる問題があります。

それは、誰がその仕事をするのかという問題です。

福祉の仕事には、「誰がやってもよい」とも言えるグレーゾーンがたくさんあります。

逆に言えば、「誰の仕事なのか」がはっきりしない場面が多いです。

だから、お見合いのようになることがあります。

誰かがやるだろう。

うちの仕事じゃないな。

でも、誰も動かない。

こういうことは、現場では起こります。

そして一番困るのは、当事者の方です。

だからこそ、話し合って決めるしかありません。

曖昧なままにしない。

誰が、いつまでに、何をするのか。

そこを確認する。

地味ですが、とても大切です。

「誰がやる問題」への向き合い方は、こちらの記事で詳しく書いています。

「それ、うちの仕事ですか?」──福祉現場の“誰がやる問題”を考える
福祉現場では「それ、うちの仕事ですか?」がしばしば起こる。誰がやるか曖昧な“誰がやる問題”にどう向き合うか。根拠・前例・交渉・自己犠牲の境界線を、現場経験から考えます。

ケース会議は、連携の技術が出る場面

連携の中で、ケース会議に参加することもあります。

さまざまな機関や職種が集まり、ケースについて話し合う場です。

  • 情報共有をする
  • 支援方針を確認する
  • 役割分担をする
  • 今後の対応を考える

ケース会議で、自分が司会をすることもあるでしょう。

ケース会議は、ただ集まればよいものではありません。

ケース会議のポイント

  • 何のために集まるのか
  • 誰を呼ぶか
  • 何を決めるのか

ここを意識しないと、集まっただけで終わったり、余計に時間がかかったりします。

では、どうしたらいいか。

ケース会議の進め方については、こちらで解説しています。

ケース会議の進め方|“誰を呼ぶか”で8割決まる。司会のコツ4つと心構え
ケース会議の進め方は、当日の進行よりも“誰を呼ぶか”で8割決まります。司会が苦手でも崩れない準備のポイント、進め方の基本、全員に発言してもらう工夫、心構えまで社会福祉士・精神保健福祉士・ソーシャルワーカーの実体験から解説します。

折り合いがつかない時もある

顔が見えても、話し合っても、折り合いがつかない時はあります。

それは、職場内でもありますし、関係機関との間でもあります。

どれだけ丁寧に説明しても、考え方が合わないことがあります。

こちらが大切にしたいことと、相手が大切にしていることが違う。

支援の優先順位が違う。

リスクの見方が違う。

そういうことは、もちろんあります。

その時に、何でも譲ればいいわけではありません。

かといって、すべてを押し通せばいいわけでもありません。

  • どこで折り合いをつけるか
  • どこは譲れないのか
  • 自分や所属機関の軸をどう置くか

これは、私自身も長く悩んできたところです。

今も、完全な答えがあるわけではありません。

ただ、十数年、苦心してきた中で、現時点での私のスタンスはあります。

そのことはこちらの記事で書いています。

ソーシャルワーカーとして生きてきた14年の道のり:折り合いのつけ方と譲れない軸
ソーシャルワーカーとして14年働く中で、私はぶつかり、折れ、癒やされ、また立ち上がってきました。組織と自分の正しさの間で揺れながら育った「折り合いのつけ方」と「譲れない軸」を振り返る実録エッセイです。

連携は、きれいごとではない

連携は大切です。

間違いありません。

でも、連携は気持ちよく協力し合うことだけではありません。

時に、

  • 意見がぶつかること
  • 役割の押し付け合いになること
  • 相手に腹が立つこと
  • こちらの言動で、相手が怒ること

こうしたことがあります。

それでも、一人では支援できません。

だから、やり取りは終わりません。

腹が立っても、怒られても、必要な連絡を取り合い、連携する。

顔の見える関係をつくる。

役割を確認する。

必要なことは言う。

譲れるところは譲る。

譲れないところは、理由をもって伝える。

そういう地味で、泥臭い積み重ねが、連携だと思います。

私は、そうした取り組みを粘り強く続ける人に敬意をもちます。

そして私自身も、そうありたいと思っています。

STEP6 働き続ける技術を身につける

僕は病んだりしないよ。

そう思う人もいます。

私は、ソーシャルワーカーの仕事は長距離マラソンに近いと思っています。

50m走や100m走を速く走れても、それだけでは続きません。

長い道のりの中で、いつの間にか心が傷つき、すり減っていくことがあります。

私の周りにも、辞めていった新人がいます。

もっと早く気づけたら、何かできたのではないかと感じる人もいます。

だから、あなたにはそうなってほしくない。

でも、自分を一番に救えるのは、まず自分です。

だからこそ、働き続ける技術を知っておいてほしいのです。

新人が辞めていった経験については、こちらの記事で書いています。

児童相談所で新卒職員が辞めていった話――「救えなかった」と今も思う理由
児童相談所で働く中で、新卒職員がメンタル不調の末に退職していった経験を振り返る。支えきれなかった後悔、先輩としての葛藤、転職や退職をどう捉えるべきか。人の可能性を新卒の段階で決めつけてはいけないという思いと、現場で働く者の正直な気持ちを綴る記録。

弱音を吐ける人の方が強い

私は、弱音を吐ける人の方が、むしろ強いと思っています。

黙って一人で解決する。

誰にも相談せずに抱え込む。

それを格好いいと思わない方がいいです。

特に男性は、「弱音を吐いてはいけない」「黙って耐えるべきだ」といった昭和的な価値観に引っ張られることがあります。

でも、そうした性別役割のイメージは、人を孤立に追いやることがあります。

むしろ、弱くていい。

格好悪くていい。

まずは話す。

そして、その弱さを橋にして、人とつながっていく。

その方が、長く働けると思います。

対人支援の仕事は、一人で抱え込むには重すぎることがあります。

自分の力だけで何とかしようとすると、いつか無理がきます。

相談できること。

助けを求められること。

それは、専門職としての弱さではありません。

むしろ、強みです。

相談することについては、こちらの記事でも書いています。

弱音を吐ける人が、本当に強い。社会福祉士・精神保健福祉士が病まないために
相談なんてしなくても平気。オレ強いから!──こうやって頑張る生き方もあります。でも、相談したほうがラクになれるのは、利用者さんも、私たちソーシャルワーカー自身も同じでしょう。ソーシャルワーカーは、日々たくさんの相談を受けています。私たちは、...

私は、いつか自分が病むのではないかと思ってきた

私はずっと、いつか自分が病むのではないかと心配しながら、社会福祉士・精神保健福祉士の仕事を続けてきました。

不安になりながら働いてきました。

でも結果として、仕事ができないほどにはならず、十数年が経っています。

自然にできたわけではありません。

苦労がありました。

底に落ちた気分になり、

それでもなんとかしたくて、本から得た知識がありました。

実践して、失敗して、また考える。

その繰り返しの結果、なんとか続けています。

だから私は、「気合いで乗り切ればいい」とは言いたくありません。

メンタルを守るには、知識も必要です。

工夫も必要です。

自分の限界を知ることも必要です。

私が十数年働く中で意識してきたことは、こちらの記事にまとめています。

ソーシャルワーカーのメンタルヘルス実践録|現場14年の私が続ける20の習慣【保存版】
社会福祉士・精神保健福祉士・ソーシャルワーカーのメンタルヘルス対策を実体験から紹介。 児童相談所で14年働く筆者が続ける、睡眠・運動・思考整理・課題の分離など、 折れずに支援を続けるための20の習慣。

8割で走る

真面目な人ほど、100%の全力で走り続けようとします。

でも、私は8割で走ることを心がけてほしいと思っています。

本当に真面目な人なら、6割でもいいくらいです。

常に100%で走っていたら、続きません。

もちろん、手を抜けという意味ではありません。

必要なことはする。

でも、自分を燃やし尽くさない。

全部は背負わない。

ずっと全力で走り続けることを、当たり前にしない。

それが大切です。

ソーシャルワーカーは、短期決戦ではありません。

長く続ける仕事です。

だからこそ、自分のペースを持つ必要があります。

8割で働くことについては、こちらの記事で書いています。

8割で走るという選択|ソーシャルワーカーが燃え尽きないための働き方
ソーシャルワーカーは短距離走ではなく長距離マラソン。常に全力で走り続けるのではなく、「8割で走る」という働き方の意味を、児童相談所での実務経験をもとに考察します。燃え尽きないための視点。

「人ごと」と思うことも、時には必要

相談支援では、人の課題に一緒に取り組みます。

その中で、相手の課題が、まるで自分の課題のように感じられることがあります。

真面目な人ほど、そうなりやすいと思います。

もちろん、無責任になっていいわけではありません。

相手の人生を軽く扱っていいわけでもありません。

ただ、誤解を恐れずに言えば、心の中では少し「人ごと」として距離を取ることも必要です。

そうでなければ、こちらの心がもちません。

自分の人生と、相手の人生は別です。

  • 支援する
  • 一緒に考える
  • 必要なことは動く

でも、最終的にその人の人生を生きるのは、その人自身です。

この感覚を持てないと、苦しくなりすぎることがあります。

「人ごと」と考えることについては、こちらの記事で書いています。

相談支援は「人ごと」でいい|背負い込みすぎる支援者のためのマインドセット
相談支援で背負い込み過ぎている方へ。児童福祉司・社会福祉士として現場経験を重ねる中で私がたどり着いたのは、「これはこの人の課題だ」というマインドセットでした。支援者のメンタルを守りながら、当事者の主体性を引き出す考え方について解説します。

職場の人間関係は、思っている以上に大きい

ソーシャルワーカーとして働いていると、利用者さんとの関わりに悩むことがあります。

それは当然です。

でも実際には、職場の人間関係に悩む人も多いです。

むしろ、職場の人間関係の方が、日々のしんどさに大きく影響します。

クライエントとの関係よりも、上司や同僚との関係の方がつらい。

そういうこともあります。

人間関係は、やりがいにも影響します。

給与への満足度にすら影響することがあります。

そして、人間関係がうまくいかないと、辞めたくなる。
≫参考:【辞めたい!】社会福祉士から転職&退職した人の理由TOP13発表

それくらい大切です。

だから、職場の人間関係を軽く見ない方がいいです。

職場の人間関係については、こちらの記事でポイントをまとめています。

感情に巻き込まれない力──ソーシャルワーカーが考える職場の人間関係
職場の人間関係で、上司や同僚の機嫌に振り回されていませんか?他人の感情に巻き込まれず、自分の気分を整えることはソーシャルワーカーの専門性の一部です。現場経験をもとに「心の扱い方」を考えます。

孤立していた私が、仲間を得た話

私自身、職場で孤立していた時期があります。

「誰にも分かってもらえない」

「誰も助けてくれない」

そう感じることがありました。

自分だけが浮いているように感じることもありました。

でも、少しずつ仲間を得ることができました。

最初からうまく人間関係を作れたわけではありません。

むしろ、かなり不器用だったと思います。

やはり、仲間は大切です。

  • 同僚
  • 先輩
  • 後輩
  • 職場外の人

形はいろいろあります。

自分を支えてくれる人を、少しずつ見つけていくこと。

それも、働き続ける技術の一つだと思います。

不器用な私が、どうやって仲間とつながっていったか。

それは、仕事の中で少しずつ自分を出していくことでした。

弱音も含めて。

自分の支援観も含めて。

自分はどう考え、何を大切にし、どう関わろうとしているのかを、表明し続けることでした。

私の体験談はこちらに書いています。

私は、同僚に何度も救われてきた|児童相談所で働き続けられている理由
児童相談所で働く中で、上司や先輩に助けられてきたことは間違いありません。そのうえで、私を支えてくれている存在として、同僚との横の関係があります。指示命令のない関係だからこそ、ただ話を聞いてもらえる場面に救われてきました。自己開示やスタンスについて考え続けてきた実感を書いています。

働き続けるのは、技術

福祉の仕事は、やりがいだけでは続きません。

使命感だけでも、優しさだけでも、続きません。

始まりは、それでいい。

でも、続けるのは、技術です。

  1. 弱音を吐くこと
  2. 相談すること
  3. 8割で走ること
  4. 時には人ごととして距離を取ること
  5. 職場の人間関係を整えること
  6. 仲間を持つこと

こうしたことは、甘えではありません。

弱さでもありません。

働き続けるための現実的な工夫です。

燃え尽きてからでは遅いことがあります。

だから、まだ大丈夫なうちから、自分を守る方法を持っておいてほしいと思います。

STEP7 学び続けるソーシャルワーカーになる

現場には、正解がありません。

私自身、今でも悩みます。

十数年働いても、

「これでよかったのか」

「もっと違う関わり方があったのではないか」

「他の人なら、どうしただろう」

そう思うことはあります。

だから、社会福祉士や精神保健福祉士、ソーシャルワーカーとして働くなら、学び続けることは必要です。

ただし、学び方にも気をつけたいと思っています。

資格を増やせば専門性が深まるわけではない

他の資格を取ることは、キャリアアップの一つかもしれません。

それは否定しません。

資格を取ることで、視野が広がることもあります。

新しい職場や役割につながることもあるでしょう。

ただ、私はあまり資格マニアのようになることはおすすめしません。

資格はたくさん持っている。

でも、自分の専門は何なのか分からない。

結局、何ができる人なのか答えられない。

そうなってしまうと、時間もお金ももったいないと思うのです。

社会福祉士も、精神保健福祉士も、ソーシャルワーカーも、その専門性の深さは底なしです。

資格を横に増やすことも大切かもしれません。

でも、今持っている専門性を深めることは、同じくらい大切です。

私は、ソーシャルワーカーとして極まっていきたい。

そう思っています。

生成AIの存在も、避けて通れない

もう一つ、近年知っておきたいのが生成AIの存在です。

これは、私たちの生活に大きな影響を与えています。

もちろん、社会福祉士や精神保健福祉士の仕事も例外ではありません。

生成AIによって、ソーシャルワーカーの存在意義がなくなるとは思いません。

ただ、生成AIありきの世の中にはなっていくと思います。

正直、私が望んでいたテクノロジーではありません。

でも、あるからには使う選択肢があります。

そして、AIにはクライエントの方たちも触れているわけです。

最近は、AIを活用して調べたうえで、こちらに電話相談される方も増えました。

だから、私たちが知らないままでいるわけにもいきません。

生成AIと社会福祉士・精神保健福祉士の仕事については、こちらの記事で考察しています。

社会福祉士・精神保健福祉士とAI|ChatGPTが変える相談支援と記憶の役割
社会福祉士や精神保健福祉士にとって欠かせない「記憶」と「関係性」。生成AI・ChatGPTは、その記憶機能を通じて相談支援に影響を与え始めています。AIは専門職を代替するのか、それとも共存するのか。事例とともに社会福祉士・精神保健福祉士に求められる役割・スキルを考察します。

AIは話を覚える。だからこそ、人の支援も問われる

生成AIは、こちらの話を覚えるようになってきています。

その記憶が関係性の基礎になることがあります。

これは、私たちの仕事にも通じるところがあります。

ソーシャルワーカーも、クライエントの話を覚えておくことが大切です。

  • その人が何を大切にしているのか
  • どんな言葉に反応するのか
  • 何を嫌がるのか
  • 前にどんな話をしていたのか

そうした情報を覚えておくことは、支援の土台になります。

もちろん、すべてを完璧に覚えることはできません。

だから記録も必要です。

でも、そこに「この人を一人の人として覚えておこう」という意識があるかどうか。

それは、相手に対する敬意であり、支援の質に影響すると思います。

生成AIが記憶を持つ時代だからこそ、人間の支援者が何を大切にするのかも問われている気がします。

職能団体や研修も、学びの場になる

学び続けるには、社会福祉士会や精神保健福祉士協会などの職能団体を活用するのも一つです。

協会では、研修があります。

同じ資格を持つ人とのつながりもできます。

ただし、会費は少し痛いです。

忙しい中で研修に参加するのもしんどいことがあります。

それでも、職場の中だけでは得られない視点があります。

自分の職場では当たり前だと思っていたことが、外に出るとそうではないと分かることもあります。

自分の実践を見直す機会にもなります。

社会福祉士会や精神保健福祉士協会については、こちらのタグページでも関連する記事をまとめています。

日本社会福祉士会
「日本社会福祉士会」の記事一覧です。
精神保健福祉士協会
「精神保健福祉士協会」の記事一覧です。

偽ベテランにならないために

資格も、研修も、本を読むことも大切です。

でも、一番大切なのは、自分はまだ知らないことがあるという姿勢だと思います。

新人から学ぶこともあります。

利用者さんから学ぶこともあります。

他職種から学ぶこともあります。

経験年数が増えること自体は、悪いことではありません。経験は大切です。

ただ、経験年数だけを根拠にして、自分を過信してしまうのは危険です。

学ぶことをやめたまま、経験年数だけが増えていく。

そうなると、いわゆる偽ベテランになってしまうのではないかと思います。

本当に成長している人ほど、自分の未熟さを知っている。

私はそう感じています。

だから、長く働くほど、自分を疑う姿勢も必要です。

偽ベテランについては、こちらの記事で書いています。

【こんな人は偽ベテラン!】社会福祉士・精神保健福祉士のキャリア論【裏知識】
社会福祉士・精神保健福祉士の現場で増えがちな「偽ベテラン」を事例で解説。見分け方3ポイントと、新人が武器にできる鮮度×謙虚さ、経験・キャリアの積み方(量×質×振り返り)を整理しました。

一人で学ばない

学びは、一人だけでするものではありません。

  • 社会福祉士会や精神保健福祉士協会
  • 研修
  • 事例検討
  • 同じ仕事をする仲間

いろいろな人と関わる中で、自分の視野は広がっていきます。

私自身も、本や研修、現場での失敗や経験から、多くのことを学んできました。

このブログも、その学びを整理し、誰かへつなぐ場所として続けています。

もし、この記事の中に一つでも明日からの仕事に役立つ考え方があったなら、とてもうれしく思います。

ソーシャルワーカーに完成形はないと思います。

だから、学び続ける人でありたい。

私自身も、その途中です。

まとめ 社会福祉士・精神保健福祉士として働き続けるために

社会福祉士、精神保健福祉士、ソーシャルワーカーとして働くことは、簡単ではありません。

資格を取れば、すぐに自信を持って働ける。

そんな仕事ではないと思います。

最初はできなくて当たり前です。

失敗もするし、向いていないと思うこともあるはず。

ケースワークで迷い、見立てを間違えることもあります。

自己覚知の中で、自分の嫌な部分を見ることもあります。

他職種との連携で、腹が立つこともあります。

職場の人間関係で、しんどくなることもあります。

それでも、続けていれば、少しずつ見えてくるものがあります。

最初は分からなかった先輩の言葉が、あとから分かることがあります。

本で読んだ知識が、現場の経験とつながることがあります。

失敗したからこそ、次の判断が少し変わることがあります。

だから、焦らなくていいと思います。

いきなり立派なソーシャルワーカーにならなくていい。

完璧な支援者を目指さなくていい。

まずは等身大で働き始める。

ケースワークの基礎を身につける。

見立てる力を育てる。

自己覚知を続ける。

他職種と連携する。

働き続ける技術を身につけ、やってみる。

そして、学び続ける。

その積み重ねが、ソーシャルワーカーとしての道になっていくのだと思います。

私もまだ道半ばです。

だから、偉そうに完成形を語ることはできません。

ただ、少し先を歩いてきた者として、同じ道を歩くあなたに伝えられることはあります。

このロードマップが、あなたが現場で迷ったときの地図になればうれしいです。

そして、しんどくなったときに、

「ああ、これは自分だけじゃないのかもしれない」

そう思える場所になれば、なおうれしいです。

これからも、しゃふくさんでは、社会福祉士・精神保健福祉士・ソーシャルワーカーとして働く人に向けて、現場で使える考え方や、働き続けるためのヒントを発信していきます。

よければ、また読みに来てください。

それではまた!

この記事を書いた人
ぱーぱす

自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士|現場経験15年、地域・医療・行政の3つの立場を経験。ブログ歴6年、記事約400本。福祉職のキャリアや生活に役立つ実践的な情報を発信しています。

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